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ITの技術や方向性考え方について別の選択肢を追求します

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最近、酒井順子さんの「都(みやこ)と京(みやこ)」という本にはまっています。東京と京都の文化的な違いをさまざまな観点から書かれています。この本の中で特に「サービス『おいでやす』と『いらっしゃいませ』」を読んで、共感を覚えます。

面白い事象として、レストランにしろ、何にしろ、店に入るとき、

店側が先に挨拶する、東京。
客側が先に挨拶する、京都。

というのがあります。たしかに、京都の知り合いのお店(バーですけど)に入るときは、最初に私の方が「こんばんわぁ」と入っていくと、バーのマスターが「あ、おいでやす」その後、私の顔を見て京都弁から標準語に話し方を換えてくれます。

東京の知り合いのお店にいくと、バーのマスターがさっと見つけて、姿勢を正して「いらっしゃいませ」とお辞儀。その後、私が曖昧に「どおもぉ」といいます。

まあ、知り合いの店の場合は、どちらも心地よいのですが、京都の場合、お茶室に入るお客と主人のような関係で、サービスを見ているのでしょうか。お茶室(お店)にお伺いするので、まずは、客の側が挨拶するのは当たり前、といった感覚でしょうか。また、京都の場合、一見さん、お断りの店もあり、紹介してもらわないと、入店すら出来なかったりする。

東京の場合、初めていくお店でも(特に居酒屋とか)、最初の挨拶から、すっごく一生懸命(に見える)サービスを、これでもかと、してくれるところが多い気がします。京都の場合、挨拶の後は、べっとりとしたサービスはなく、さらりとしているような、気がします。

この対応の違いは、東京式サービスが、

スマイルは0円でどなたにでもご提供しますよ!お金さえ支払っていただければ差別はしませんよ!何を言われても「ハイ喜んで!」。。。。のサービスであるわけです。(「都(みやこ)と京(みやこ)」新潮社 P198)

それに比較して、京都では、「サービスは、タダではない」という感覚がある。お客の側にサービスの受容能力が必要なのだ、そうだ。チップと呼ぼうが「心付け」と呼ぼうが、サービスを受けるときは、そのサービスを評価して、代価を払ってあげる文化が、京都には残っているようです。

そういえば、私のおやじと温泉旅館に泊まったりしたときに、実にさりげなく「心付け」を仲居さんにあげてましたね。良いサービスをしてもらった(もらいたい)時には、ちょっとした代価をあげる、それによって、サービスする側も良くなる、というのが、昔は常識だったのですね。まだ、若い人たちには要求されないものだと思いますが、私程度の歳になったら、せめて、さらりと心付けをあげられるように、なりたいものです。

酒井順子さんのこの言葉、結構、いいところを突いているので、抜粋します。

最近、とみにサービスの世界が注目されているように思います。少しサービスの手落ちがあったりすると、ぷりぷり怒りだすような人もいる。
しかし考えてみれば、無料のものに対してそこまで権利を主張するのも、妙な話。水と安全はタダ、という日本における従来の認識がかわってきているように、サービスはタダという認識も、これから少しずつ変わっていくのかもしれません。(「都(みやこ)と京(みやこ)」新潮社 P202)

酒井順子さんは、やさしい方なので、このように書かれていますが、本当は、かなりこころして、「サービスは、タダじゃない」「良いサービスを、お客の側が育てる」といった事を考える必要があるのでは、ないでしょうか。

とおる

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高橋徹

現在サン・マイクロシステムズにて、様々なミドルウェア・ソフトウェアの販売推進・ビジネス開発を担当しています。旅行、食べ歩き、読書が趣味。

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