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データセンターに於けるソフトウエア定義の電力とは--その1

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この題目はITと電力との接点にあたり、とても興味深い。ITは完全に電力に依存しており、IT屋であっても電力を意識することが必要となってきた。 しかし、逆にITが電力をコントロールできるようになれば、非常に興味深く素晴らしい。この2回のブログの1回目はデーターセンタにおける電力の問題について述べる。それには電力の価格についての議論も含む。またこれは、2回目のソフトウエア定義の電力の実装に対する準備も兼ねている。ソフトウエア定義の電力を用いれば、データセンターに於ける諸問題を解決できるのだろうか。

電力不足の問題
データセンターでは電力問題が増加している。典型的な問題は電力不足だ。電力不足が起こるのは以下のような場合だ。

1. 電力会社に十分な電力供給能力がない。
2. 自分の電力システムのコンフィギュレーションが規定されており、容易に改善して電力容量を増加できない。

1の場合に関しては、更に2つの場合が考えられる。まず自分の立地地域で電力需要が増加して電力会社が十分な電力供給が出来ない場合だ。この場合、電力会社は送電システム、変電所を含む配電網を改善して整備しなければならない。これには、多額の費用と時間が必要である。更に、電力会社は大抵の場合は十分な電力供給能力があるが、一時的に需要が増大するとき、例えばピーク時間帯などだ。

2の場合に関しては、自分のデータセンターに与えられている電力は制限されおり、それを越えた電力を消費は出来ない。データセンターの電力容量やコンフィギュレーションは固定されており、実際にこれを変更しなければならない。この変更は自分のデータセンターに限らないことが通常だ。データセンターに電力を提供する電力会社はそれに属する変電所やトランスなどを含めた配電網を整備する必要がある。場合によっては、送電網も改善する必要がある。この改善のの費用は当然データセンター側にも跳ね返る。

更に言うと、自分のデータセンターの電力コンフィギュレーションはデータセンター全体だけではなく、そのそれぞれのセクションでも同じだ。あるセクションにもっとIT装置をを追加したいとする。しかし、そのセクションに十分な電力が割り当てられていないと、そのPDUのブレーカーが飛んで電気が落ちてしまう。 ラックに十分なスペースがあっても、IT装置の追加はできない。つまり、使用不可能なスペースが生じることになる。この場合、装置場所を考慮する必要がある。そして、装置を移動する場合それぞれの装置をシャットダウン、 電源を落とし、電源やネットワークの回線を外し、移動して、再び電源とネットワークの回線を接続し、電源を入れて、ブートしなければならない。これは面倒なプロセスであり、ダウンタイムが生じて、ビジネスにも影響する。 もちろん、複数の装置を移動させる にはデータセンター全体の電力状況を把握して最良のICT装置のレイアウトを考えなければならない。これはなかなか困難なプロセスだ。

以上のそれぞれの場合について言えることは、電力需要の増加が恒常的ウであれば、変更することは正当化されるが、それが稀にしか起こらないのであれば、正当化するのは困難だ。

データセンターでの電力料金
現在は電力料金はデータセンターでは大きな問題となっている。IT屋だからと言って電力の問題を無視することはできなくなった。 データセンターでの電力料金は複雑で地域毎に異なる。更に、電力料金は様々な要素があり、それぞれの契約は独自なもので一般的な議論は困難だ。しかし、このブログのために詳細な議論は簡略化する。実際にはそれぞれのデータセンターの状況や、地域、電力会社によってかなり異なる。

大手のビジネスと産業の消費者用の料金体系には、大抵の電力料金は以下を含む:

  • 接続費 – 配電網に接続するため
  • エネルギー費 – 消費されたエネルギーに対して (単位kWh)
  • デマンド費または最大需要電力 – 最大の需要電力に対する料金 (単位kW)

接続費

一般的に多くの電力を必要とすると、電力会社は変電所を含む配電網を整備する必要がある。例えば50MWの電力が必要な場合は20MWの場合に比較して高い接続費を課せられる。

エネルギー費
エネルギー費はどれだけの電力を消費したかによって科せられる料金のことだ。これは消費者としてはよく知っている料金だ。使えば使うだけ料金が高くなる。北と中央カリフォルニア州に電力を提供しているPG&E社の地域では、データセンターのように大量の電力を消費する消費者には、時間によって変化する料金体系が科せられている。kWあたりの値段は一日のうち時間によって変化する。一般的に午後に一番高くなる。その上、一年のうち何日かはピーク日というものが決められており、その日は更に高い料金が上乗せされる。

デマンド費
PG&E社によるとデマンド値は:
住宅用でない多くの料金はデマンド費を含む。デマンドは1ヶ月の料金サイクルの間で15分(または短い場合は5分)の間に消費れた最大の電力の計測値であり、kWで表される。大きなデマンドは通常装置の立ち上がり時に見られる。全ての装置を一度に立ち上げずに分けて立ち上げることで、デマンド費を小さく抑えることができる。

負荷が変動し、時々突出すると高いデマンド値が科せられる。 出来るだけ、負荷による需要を平坦にすることが肝要だ。

データセンターで電力料金を削減するにはどうすれば良いのだろうか。例えば、以下のような方策を採用することだ。

  • 適切な電力容量を設計し計画する。
  • 高騰するデマンド費を避けるため出来るだけ負荷の変動を防ぎ一律の負荷分布にする。
  • ピーク時やピーク日の料金に注意を払う。

上は当然のことの様だが、適正な電力容量を決定するのは容易なことではない。一般に将来の拡張を考慮して余裕を持たして設定し、大きく設定しがちである。また、多くのデータセンターはミッション・クリティカルであるため、ピーク時でも停止せず運転する必要がある。また、負荷をできるだけ上下なしに配分することは容易ではない。

いつ電力をコントロールするのか
電力は一旦発電されると大量に貯蔵できず、すぐに消費されなければならない。言い換えれば、電力は供給を制御できないので、需要を制御するしかない。これはデータセンターでも同じことだ。制御とは負荷による需要を軽減することである。ではいつ負荷を軽減すれば良いのだろうか。それは、電力料金が高くなったとき、または電力が不足している時だ。それに使われるのがデマンド・リスポンスだ。PG&E社はデマンド・リスポンスを次のように説明している:

PG&E社のデマンド・リスポンスは消費者が需要のピーク時にエネルギー負荷を軽減することができるようにしたプログラムである。 大抵のPG&E社の デマンド・リスポンスは需要のピーク時に負荷軽減のための経済的な誘因を与えるという側面も持っている。

デマンド・リスポンスはデータセンターにはあまりなじみのないものだった。と言うのは、データセンターはミッション・クリティカルと考えられて何があっても停止されないと思われて来たからだ。しかしながら、研究用やテスト用のデータセンターの負荷は軽減することが可能であろう。

その2で実際にどのようにしてソフトウエア定義の電力を実装できるのか、その1つを示そう。

このブログの電力料金に関しては、Power Assure社のPeter Maltbaek氏に色々と助言を頂いた。</span>

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