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RSAコンファレンスから見るモバイルとID管理

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コンファレンスの印象は参加できたセッションや話を聞くことができた人々によって異なることがあるので、一概には言えないが2月末に開催されたRSAに参加して9社をインタビューした結果を簡単にまとめて見る。

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レジストレーション付近の混雑

言うまでもないことだが、セキュリティというのは技術の変遷に関わらず必要なものである。他にも色々あるだろうが、このRSAコンファレンスで筆者の注目を引いたのはモバイルとID管理である。 モバイルはクラウドと共にそれ以外はあまりぱっとしないIT分野の牽引をしていると言っても差し支えあるまい。モバイルに対するセキュリティというのは多岐に渡るので一概にはそれがなにかとは言えない。異なったベンダーは色々な角度から製品やサービスを展開している。展示をしている会社は多数であり、またそれ以外の会社も参加しているので、限られた時間内でインタビューする会社を絞りこむのはかなり困難だった。


TeleSignIDの確認に携帯電話を使用する。対して、Mobile Active Defense は新たに mobile device security management (MDSM)という言葉を定義して、従来使用されているmobile device management (MDM)では十分なセキュリティを提供できないと主張している。 更に、 Echoworxは暗号化技術を iPhoneなどの携帯電話に提供している。iPhoneに使用されているプロセッサーは十分なパワーがあるので、自己の力で暗号化・解読を行うことができる。 使用されるアプリは OTA で容易にインストールすることができる。暗号化は通信と格納するデータに適用される。

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2番目の傾向であるID管理は非常に需要だ。オンラインのサービスが急増する中、大抵の人は多くのIDとそれに付随するパスワードを有している。筆者は多分20以上持っており、全てを覚えて居る訳ではない。個人でこの有様だから、会社や大きな組織では多くの従業員を抱え、それぞれが複数のIDを有する訳だから、仕事に関連するものだけでもその数は莫大なものとなる。この管理が大きな問題となる。 パブリックとプライベート・クラウドを併用して使用するハイブリッド・クラウドの場合、1つのIDで全てのクラウドにアクセスできると非常に便利だ。 BeyondTrust はプリビレッジドID管理技術を提供して、仮想化されたリソースも物理的に存在するリソースも管理でこる。そして、ハイブリッド・クラウドにも適用できる。その他、SymplifiedID管理技術を提供している。


その他の会社でインタビューしたのは、Fortinet, Solera Networks, MokaFive, Akamai, and Zettasetだ。Fortinet の製品は unified threat management (UTM) アプライアンスだ。ハッキングも高度化しておりネットワークのスピードは急増している。簡単にセキュリティを確保できる製品として興味を持った。Solera Networks はネットワークのフローをモニターして通常と違う状況を検知することができる製品を提供している。 MokaFiveはスタンフォード大学の4人の研究者と Vinod Khosla を中心に創始された。 サーバの仮想化はデスクトップの仮想化よりも進んでいる。サーバー上にバーチャルのデスクトップのコピーを搭載して、それぞれのデスクトップはそれを使用する。


スケジュールの関係で、インタビューできなかったが、 GreenSQL SQL データベース専用のファイアーウオールだ。これらのインタビューはビデオで視聴可能だが、一部日本語字幕を付けて近日公開する。

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