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今あらためて組織力が問われる時代に、”負け組をつくらない組織”の作り方を研究していきます。

質を生むのは量である

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“質を生むのは量である”

これは高校3年の時に、英語の授業で先生が言った一言。受験勉強について悩んでいる生徒へのアドバイスだった。私はそれ以降、この言葉が人生の中でも一つの信念になっている。確かに「量より質」という言葉があるように、本質をきちんと捉えた手法・方法を見つけることは何をするにしても大事なことだ。ただ、どうやってその手法・方法、すなわち最も無駄のない効果的なベストな方法を見つけられるかというと「経験」から来るのだ。数多くの経験は失敗・悩み・プレッシャー・・・など色々な試練を私たちに与えてくれる。そして、そこから学習をして次は同じことがないように工夫ができる。この積み重ねの結果が「慣れ」とか「成長」となり、精度が上がる。質を良くするためには、そもそも経験を積まないといけない。だから、たくさんの量をこなすべきだということである。仕事でも全く同じことで、自分の好き嫌いを言うのではなく積極的に失敗を恐れずにリスクもテイクする人の方が成長は早い。

しかしながら、”経験量”だけでは成長カーブを加速的に伸ばすことはできない。実は、人の成長とは以下の公式で成り立っている。

経験値 × 向学心 × 学習速度 = 成長

“経験値”は文字通りだが、新しい情報量や新しい体験量(実際に感覚的に細胞レベルで体験するということ)をできるだけ多く自分の中に取り入れるということである。本を読む量に目標設定をしたり、できるだけ色々な人から教えを乞い、食わず嫌いをせず色々なことに挑戦をしたり、経験値を上げることが成長への第一歩である。それに加えて重要な要素は”向学心”である。経験は多いに超したことはないが、いかにその経験から学ぼうという意識・心の準備があるかということだ。素直な気持ちで聞かないと何事においてもやはり習得の妨げとなる。そして、最後に”学習速度”。要は一度ないしは少ない機会で覚えることができるかどうか。これら3つの要素が一つでも欠けると人の成長速度は鈍化してしまう。

やる気だけ空回りしても仕方ないし、素晴らしい教材となる先輩が多くいる会社にいても本人がその気じゃないと経験値も低くなるし、やる気も教材も揃っているが何度聞いても理解が難しいとなると非効率ということがある。3つが組み合わさって初めて成長がある。しかし、この3つの中でやはり一番重要なのは経験値=量なのだ。それは、自分の努力だけでは得られない経験、つまり環境要因も大きいからである。一方、向学心や学習速度というのは、自分の工夫や努力で養うことはできる。経験値だけは自分だけで増やそうにも限界があるのだからこそ、経験を取る ということを積極的にしなくてはならない。

営業活動においては、そのターゲットなる顧客層や製品などマーケティングによっても異なるが、私は営業活動量を徹底的に追求する。”量は質を生む”からである。誤解を恐れずに言うならば、たとえ嘘でも量をこなせば、そのこなした量の半分くらいは意味があると私は考えている。そして、それらも継続することに意味がある。どんな状況でも決めたことを遣り通せばそれが実力になる。またまた横道に逸れるが、ゴマすりとかお世辞というのも毎日継続すればそれなりに意味があると思う。毎日継続するうちに本心に変わったりするだろうし。いずれにしても、ある日突然変異で人は成長するなんてこと有り得ない訳で、量をこなすということは、体力的にも精神的にも疲れることだろうが、体力と同じように毎日ちょっとずつ鍛えるから体力がつく。人や組織の成長も同じである。

組織のマネージメントの観点から言うと、常に安定した行動量(KPI)を維持するというのは営業部門でもサポート部門においても、人材の育成、組織としての成長、結果を出す為の努力としてもどこでも必要な管理能力(Management Skill)である。ただ、この時に余りにもそのKPIに縛られ、決められた量をこなすことが優先されてしまう悪いケースもよく見かける。これを防ぐには決められた効果測定を常に行い質にも着目して管理することが必要である。同時に組織の管理者は、いわゆるブレイクイーブンポイントをKPIの管理の際にはできる限り論理的な根拠を元に理解しておくことが望まれる。生産活動と生産量は、ある一定の時点までは比例していくがブレイクイーブンポイントを境に生産効率が下がり始める。これを人間が行うことだとすれば、そこに遂行能力やモチベーション、業務フロー上の障害の有無など様々なことを考慮せずには結果を出すことは難しい。確かに”質を生むのは量”の考えをベースとしての行動量をストレッチさせる基本戦術は必要だが、生産効率(Productivity)の維持が重要になる。クリエイティブな仕事であれは、ひたすら量をこなすことで感性が磨かれるのだろうが、営業などの組織では生産効率が落ちるというのはそれだけ組織全体が疲弊したりモチベーションが低くなることそのものに繋がるから細心の注意が必要になる。そして、ブレイクイーブンポイントを正しく設定するには、どのようなタスクがあって、頻度・時間・重要度・実行難易度などを細かく分析をして計算しなくてはいけない。このような細かい確認作業を経て初めて営業組織の活動というのはマネジメントされるべきなのである。

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