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今あらためて組織力が問われる時代に、”負け組をつくらない組織”の作り方を研究していきます。

”出世する人” と ”出世しない人”

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これまでに面接官をさせてもらう機会が多くあったが、私はたいてい”自分自身をモチベートする要素は、①評価や地位、名誉 ②報酬 ③自分の達成感 の3つの中でどれが一番強いか?”という質問を良くする。いろいろなタイプの人がいるが、その多くは①評価や地位、名誉 が強く自分自身をモチベートさせる要素だと回答する。「出世したい」という願望は誰しもが多かれ少なかれ持っている。そこがモチベーションの一つになるのは当然のことだ。「認められる・評価される・信頼される・頼りにされる」、つまり、「地位・名誉」も同じだと思うが、自己満足ではなく実際に他人から認めてもらうことで自分の価値を見出し励みにするということになる。

上司と同じ気持ち、視点になる

逆に言うと、いわゆるRecognition (評価)されないと、仕事へのやる気も大きく左右する訳だが、競争・階層社会であるからしてどうしても”出世する人”と”出世しない人”に分類される。当然、正しい方法論で競争し勝ち残った結果として、それは認められて評価される。では、”出世する人”と”出世しない人”の違いは何か? 端的に言うと出世する人は「上司と同じ気持ち、視点になる」ことのできる人なのだ。以前にも述べたが、優れたリーダーとは人を育成し活かすことのできるリーダーである。それは自分自身の身代わりができる人を育成するということでもある。もし、私が自分の仕事の後任を探しなさいと言われ場合どういう人を選ぶかというと、会社や上司と同じ気持ちになれて、同じ視点で、同じ考えのできる人だ。理由は簡単だ、同じレベルの仕事をするために、最低限の知識や感覚、考え方を持っていないといけないからだ。単に営業結果だけとかでは決して判断はしない。むしろ、この場合はどういう過程を得てその結果を出したのかと言う点に絞って人を見るだろう。

組織というのは、基本形としてピラミッド型と言われることがある。この形は指揮命令系統が明確に定義され、階層が多いのが特徴。規律統制に基づく組織構造であり、中央集権的意思決定が行われる。従業員は上下関係や階層意識が強く、職場には規律や規範が多いのも特徴である。このように指揮命令が組織の動きにおいて重要である場合は、いかにトップが考えることが素晴らしいとしても、それが正しく伝達されなければ意味がない。いわゆる伝達係である「中間管理職」の重要性がここにある。人材配置を考える場合には、組織における”伝達”を正しく同じテンションで次に繋げられる人でなくてはならない。そうなると自ずとこの「中間管理職者」は、トップと同じ考えができるようにならないといけない。以前、100%の理想な組織として”リーダー不在ないしは限りなく少ない人数で、決められたプログラムを間違いなく遂行し、結果を出すことのできる組織”と書いた。リーダー不在ないしは限りなく少ない人数という意味は、”伝達”が正しく出来ている結果、構成員全員が組織のトップと同じ考え・知識・経験を情報共有されている状態である。全員がリーダーになれる力があればリーダーは必要ない。メンバーそれぞれが自分の考えで正しいと思う行動を実行すれば良いのだから。しかし、実社会ではそのような組織はまず存在しない。

だからこそ、組織の責任者としてやるべきことは、まず自分自身が会社の理念や方向性を正しくちゃんと理解をする、そしてそれを積極的に組織に下していくことだ。その時に大事なのは会社の方向性など自分自身はどのように解釈・理解しているかという自分の気持ちや考えもあわせて伝えることだ。これも一度言うだけでは効果が無く、常に言い続けることによって浸透し出す。自分自身が会社に評価してもらう(=出世)為にも、やはり会社や上司の考え・気持ちを100%理解する努力をしないといけない。まずはちゃんと理解をすることだ。”上司に言われたからやる・・・”というだけの理由で、何でもかんでも納得しているような人はピープルマネジメントも他者への動機付けはできない。自分が納得できるまで上司の席まで行って何度もでも質問すればいいのだ。前向きな人をサポートしない上司はいないのだから。この行動が他者を巻き込み、一つの方向に人を導くことだってある。自分の組織をリードすべく上司や会社の考えを理解していくと、次のステージが自ずと見えてくるはずだ。

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