グーグルのクラウドを支えるテクノロジー > 第60回 ソフトウェア開発者の生産性に影響する要因の分析(パート1)
私が編集支援している中井悦司氏のCTC教育サービスコラム「グーグルのクラウドを支えるテクノロジー > 第60回 ソフトウェア開発者の生産性に影響する要因の分析(パート1)」が公開されました。興味がある方はご覧ください。
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はじめに
今回からは、2019年に公開された論文「What Predicts Software Developers' Productivity?」を紹介していきます。この論文では、Google、ABB、National Instrumentsの3つの企業のソフトウェア開発者を対象としたアンケート調査を元にして、ソフトウェア開発者の生産性に影響する環境要因の分析を行っています。ソフトウェア開発の生産性を客観的に評価するのは難しいものですが、この論文では、統計的手法を用いた分析により、いくつかの興味深い結果を導いています。今回は、まずは具体的な調査手法についての解説を行います。
生産性の定義方法
ソフトウェア開発者の生産性に関する研究は古くから行われており、自己評価、チームメイトによる相互評価、リポジトリへのコミット数、そして、書いたコードの行数など、さまざまな指標が提案されてきました。容易に想像できるように、それぞれに固有の課題があります。最初の2つは、評価者による主観が入る可能性があり、その一方で、コードの行数で生産性を測るというのも客観的な指標とは言えません。時間を掛けて生み出した革新的な数行のコードと、単調作業で量産した冗長なコードについて、これらの生産性を行数だけで比較するのは公平とは言えないでしょう。このような前提を踏まえた上で、この論文では、次の文言に対する自己評価(自分に当てはまるかどうかを5段階で回答)を生産性の評価指標として選択しています。
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https://www.school.ctc-g.co.jp/columns/nakai2/nakai260.html