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トラップストリートならぬトラップ提案書

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ゼンリンの地図で7年もの間、誤りが気づかれなかったというニュースがありました。

ネット地図に幻の四国ローカル線 「ゼンリン」ミス、7年間誰も気づかず (1/2) - ITmedia ニュース

著作権に詳しい方では「トラップストリート」とか「著作権トラップ」といった言葉を聞いたことのある方がいらっしゃるかもしれません。Wikipediaの解説によると

トラップストリート (Trap street) とは、地図上に描かれた架空の道路である。虚構記事の一種で、無断複写によって地図の著作権を侵害した者が言い逃れできなくするための罠(著作権トラップ)として用いられる。

トラップストリート – Wikipedia

とのことです。今回の誤りは特にそういったものではないと思われますが、もし仮にトラップストリートだったとしても「実はそうだったんです」とは言いにくいんではないでしょうか。

意図的なトラップストリートではありませんが、実際に誤植がそのままコピーされていることを根拠の一つとしてゼンリンが2003年にインクリメント・ピーを相手どって損害賠償を請求するという訴訟もあったようです。(和解済み)

住宅地図訴訟でゼンリンとインクリメントPが和解 - ITmedia ニュース

コンサルタントの仕事をしていると提案書で「こんな感じに整理したらいい感じですよー」という図を描いて見せることが多くあります。それがあまりにも良い出来だと「しまったなー提案段階にしては出しすぎたなー」と思うことがあります。そのまま受注できれば問題ないのですが、うっかり金額で競り負けてしまったりすると、発注者の方によっては問題のない範囲で「こんな感じで整理してよ」と別の受注者にお願いをしたりすることもあるんではないかと思います。(自分が明確に他社提案から引っ張ってきた成果物イメージを示された経験はないですが)

そんなときに実は私の中に大きな誤認があったりしたらトラップストリートならぬトラップ提案書になったりするのかもしれません。プロジェクト終盤になって「あれ?ここおかしくない?」となっても言いだしっぺの提案者は失注して無関係ですので文句を言いに行くこともできないのですね。そう考えると提案書レベルでも他人のアイデアを流用するというのは著作権だけでなくいろいろと困った点があるようにも思います。

このブログにも一見して気づかないピリオドや半角スペースが入っていてコピペすると。。。ということはありません。

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