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コンソール作業をすると心が踊る

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永井千佳さんが「暗譜すると心が羽ばたく」というエントリを書いていらっしゃいます。

フランス語では「心で弾く」というように、暗譜すると心が自由になり、音楽がさらに羽ばたくようになります。それは、お芝居でいう、セリフを覚えるのと同じなのですね。しかし、確実に覚えたと思っても、一瞬の魔がさしてポッカリ穴があくこともあります。暗譜は常にその不安と隣り合わせなのです。

暗譜すると心が羽ばたく

実は私は音楽は好きなのですが楽器や歌は苦手でして、譜面も義務教育で課される過程を通してもらったレベルに過ぎません。が、時おり永井さんのブログを見ていて音楽とITとの微妙なつながりを感じることがあり、不思議に思います。

例えば上のエントリを見たとき、ITのエンジニアの心が羽ばたくとするとサーバルームでのコンソール作業かもしれないと思いました。なお永井さんが勘違いするといかないので説明をさせていただくのですが、ITの世界でいうコンソールとはサーバに直接つないだディスプレイのこと。反対にITの世界の人に説明をすると、実はこのコンソールというのはオルガンの演奏台のことを言うそうです。Wikipediaの写真を見ると確かに雰囲気が似ています。

コンソール

さてITのほうのコンソール作業というと、臨時のつらい作業というのが誰しも思い浮かべるところではないでしょうか?映画でもコンピュータ作業というとコンソールをものすごい勢いで叩いてなんだか悪いことをするというのがお決まりのようです。

実際のところは大切なデータを失うことは何が何でも避けなくてははならないですので、お客さまのデータを預かる重要なサーバをグリグリと切った貼ったで操作することはほとんどないと言えますが、重要な部分を破壊することがないように適切な範囲に権限が設定されたユーザを使っての障害の状況調査ともなれば、キーボード(これも鍵盤と同じ言葉ですね)の打ち込みのスピードもさることながら何をどう調べたら原因が切り分けられるかという論理の組み立て、はたまたawkやgrep等のコマンドの組み合わせなどなど見せ場がたくさんあります。

普段のシステム開発で大きなプログラムを作るとなると設計書を先に作り、それに沿ってプログラムを記述していくことになります。それに対して設計書も使わず、はたまた参考書やマニュアル等も見ずにその場で自分の身に帯びた知識(とman)だけで勝負するコンソール作業とでは、やっている最中の緊張感が違い、無事終わったときには大きな達成感があるように思います。

音楽と違うのはよく知らない人が見てもキーボードを打つのが早いのと、画面を流れる文字が多いことしか感動がないことくらいでしょうか。

ちなみにプログラムはコンサートでも使われますがpro-gramとつづりを分解すると「あらかじめ書かれたもの」とのこと。コンサートでは演奏曲の予告となりますし、コンピュータに対しては人間があらかじめ準備しておいた命令書、ということになりますね。事前に書いていないものはコンソール作業により間に合わせで流し込まなくてはなりません。そんなことせずにあらかじめすべての事態を想定して対応プログラムを事前に書いておきたいものですね。

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