プロはお客様と心から合意して仕事をする
プロというのはお客様ができないことをしてあげることであると思います。
前提として「お客様ができない」とあります。プロでない人でも出たとこ勝負で「やってあげる」ことはできるはずです。しかしプロは「お客様ができない」ことに対してまじめに向きあうことがプロたる所以であると思います。
お客様側はプロにお願いをするにあたってこのような不安があります。
- 何をお願いすれば良いかがわからない
- どんなことをしてもらえるのかがわからない
- 失敗する可能性、その帰着がわからない
- この先どうすれば客としてレベルアップできるかがわからない
などなど。プロはこういった不安に対して丁寧に応え、お客様の納得を得た上で仕事を進められる人であると考えます。
ですので、「俺に任せておけば大丈夫」とすべて引き取って勝手に進めたりですとか、ましてやお客様がよくわかっていないうちに大失敗をして道連れにしてしまうということはあってはなりません。まんべくんの事件はまさしくここに当てはまるのではないかというように感じられます。「毒舌で有名にしてあげます。」というレベルで自治体側と合意するだけでここまで進んできたのであれば、それは仕事の引き受け方として真摯でない部分があったと言わざるを得ません。
プロといえば思い出すことに、ハウステンボスに旅行に行った際のハプニングがありました。
その日の夕食に私と妻の2人はエリタージュというレストランを予約していました。宿泊したホテルからはクラシックカーのような趣きのある黒塗りの車での送迎があると聞いておりロビーで待っていました。「やまぐちさん」と呼ばれた気がして外に出ていくと白いワンボックスカーが。なにか違うような気がしたのですがついこちらも乗ってしまいました。で、車内に乗り込んだ私たちの服装の違和感を察知してドライバーさんが「やまぐちさん違い」であることに気付きます。Uターンして車を替えるかと思いきや、謝罪をしつつもハウステンボスのトリビア等の会話で盛り上げてくれてレストランまでの道を楽しく過ごすことができました。最後に「食事の後のデザートワゴンで何を食べたいか聞かれますから、ぜひ『全部』と答えてくださいね」というアドバイスをいただき、その通りにしてとても満足でした。帰り道はしっかりした車が迎えに来たのでやはり間違いだったんだということが改めて実感されました。それでもその日のハプニングのことは今に至るまで少しも気分を害さずに良い思い出として覚えています。
まだまだホテルでどう過ごせば楽しいのかがわからない年頃ですが、それでもそのような経験をさせてくれたドライバーの方にプロを感じるのでした。