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就職活動が情報収集のスピードアップを体に叩き込む

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3・11以降のインターネットに少し変化が訪れているように思います。

折しものiPhone/.Androidによるスマートフォン化の流れと、震災時のtwitter初めソーシャルメディア・SNSの活躍により、インターネットの利用者層が少し変わったように思います。

これまでガラケーだったり家のPCだったりという環境ではあまり長時間、高頻度にネットに接していなかった人がフィーチャーフォンをスマホに切り替えたことによりネットとの接触時間を増やしたように思います。

また、震災時の情報収集のためにひとまずtwitterアカウントを取ってみたという人がそのまま継続的にソーシャルメディア・SNSを使用し続けていることもあるように思います。

しかしそれがはっきりと感じられないのは、そういった人が活発に意見を発信するというよりは、主に情報の収集のためにそれらのツールを使っているからではないでしょうか。スマートフォンが増え、twitterの利用者が増えましたが、一方でよく目立つ意見をいう人があまり入れ替わっていないのは読者側の人が増えたからではないかと考えています。

そしてその一方で、かつてはダイヤルQ2詐欺やバナークリック詐欺のような手法が猛威を振るっていたように簡単な「釣り」により不正なアフィリエイト収入を得ようとか、そういった類のサイトが増えているように感じられます。

いくつかの手法があると考えられますが、ひとつには古くから知られているような「おもしろ画像」であったり「ハプニング画像」であったりというものを使って初心者を騙すようなやり方です。2chで話題になってから半年や1年ほどが経っていきなりtwitterで話題になる現象の理由を探っていたのですが、twitpicのように画像にコメントをつけられるサービスでは高確率で出会い系サイト等へ誘引するリンクが書きこまれていました。

バズってから不正なリンクを書き込んでいるのか、不正なリンクを書きこんでからバズらせているのかはわかりませんが、どうもそのターゲットはインターネットの「古き良き時代」を知らない人々であるように感じられてなりません。

一方で、インターネットに長い期間慣れ親しんでおり、情報収集に意欲的で、簡単には騙されなさそうな人を騙すためのしかけも増えてきているように感じられます。それは巧妙かというと、必ずしもそうでもありません。

ありそうで存在しない情報であったり、事実に嘘をおりまぜて過激にしていたりという情報を発信することで、つい検索してしまう人を引っ掛けるという手法が根強く存在します。例えて言えば、裁判員への配布資料がネットに流出することはまずありませんし、仮に出回ったとしてもYahoo!のトップニュースやtwitterのタイムラインで自分が目にするよりも前にgoogleの検索結果に出てくることはありません。

※実際にはタイミングでそういうこともあるかもしれませんが、振り込め詐欺の啓蒙のように「絶対にありません」と言って広めたほうが良いんではないかと考えます。

思えば父母や祖父母の世代では中年くらいまでは新聞やテレビなど、横並びで情報を得るのが普通でした。仕事の情報や相場関連の情報等は独自に頑張ることがあったかもしれませんが、ほとんどは情報の入手に「速度」を意識することの無い生活だったのではないかと思います。(地域コミュニティに関するもの等、生活に根ざした情報は別ですが)

それが自分たちの世代は若いうちにインターネットに触れることで情報を取得するスピードが人によって異なるということを体で理解しました。特に就職活動がバトルと化した世代では「セミナー、筆記試験の予約は早い者勝ち」というルールを叩き込まれていることかと思います。魚釣りを考えてみますと、天然の餌を敏感に見つけてよく食べる魚は大きくなれますが、釣り上げられてしまう可能性も大きいと言えます。天然の餌と疑似餌を見分けられる魚はいつまでも釣られずに大きくなることができます。

情報収集に積極的な人は初心を忘れない心がけが必要なのかもしれません。

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