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高齢者の死亡確認されていないと困ること

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ごく一部の例外的な事件と思いますが、高齢者の死亡確認が徹底されずに書面上は存命であるかのようになっていたということがニュースになっています。

この反対を考えてみるとどうでしょう。

出生が管理されておらず、戸籍で管理されていない日本人がいたり、生まれていない子どもが書面上は産まれたことになっているということになります。個人的経験としては長男の出生届を出す際は産婦人科医に証明の記入のようなことをやってもらいました。定期的に健康診断もあります。産まれた子どもをいないことにするのそれよりは簡単かもしれませんが、義務教育があります。おそらく出生に関しては死亡よりもごまかすのに難関が多いでしょう。

出生の偽証は子ども手当や税金等の面で困るかもしれませんが、一人一人への影響は税金面を通して微々たるものになると思われます。しかし、大きな影響もあるかもしれません。それは、日本のパスポートの信頼性が落ちることではないかと思います。日本の戸籍制度が崩壊し、国民のマスタ情報が生きているか死んでいるかわからない人で混乱した状態となれば、外国への入国審査が厳しくなるかもしれません。

一部に混乱したデータが混ざり込んでいることで、全体に悪影響を及ぼす例は我々が国民年金のデータに不信感を持った際にその影響度合の大きさを実感したことで記憶に新しいですね。

なお中国の一人っ子政策下では二人目以降の子どもが産まれた際に罰金から逃れるために生まれていなかったことにすることが行われたそうです。黒核子(ヘイハイズ)と呼ばれる子供たちはそろそろ大人になってきて、家庭を持った場合には一家そろって戸籍なしということになるようです。大きな問題ですね。

逆に、世界で日本では戸籍制度を初め社会基盤が整備されていることから、入国審査で英語が話せなくて「ぱーどん?」とか言ってると「はよいけ」とばかりに背中を押されてしまうという現象につながっているように思います。(911テロ後は以前より厳しくなっているようですが。)

ちょうどここ数日のうちに、他人の戸籍謄本を金で譲り受けて(違法)パスポートを不正取得する事件がありました。金でパスポートを売った張本人が服役中に海外に渡航してしまったために発覚したというものです。高齢者の件もこの件も、日本が維持してきた優秀なマスタ情報にほころびが生じ始めた現れではないかと思ってしまいます。

戸籍制度の整備されていなかった国では「マスタ」の問題に直面したからこそ国民ID制のような仕組みに取り組んで効率化を果たしたところもあります。このような角度からも国民ID制を整備するか、その代わりを検討するか、などの議論が必要かもしれません。そうなった場合、出生や死亡の際の身の処し方が変わってくるかもしれないですね。

Comment(2)

コメント

XX

山口さんは基盤系なのでシステムの移行を経験したことがないと思いますが、大規模システムの移行を行うとデータの不備などは当たり前だと思えるようになります。システムのそもそものインプットは人間なので、データがシステム上に管理されていてもその信頼性は人間に依存します。大体、それほど信頼性の高くないシステムでは大雑把に言って1%~5%程度のエラーデータが普通に含まれているのではないでしょうか。仮に2%だとしても例えば1億件のデータがあれば200万件がエラーなので凄い数になりますが、データの入力者がそれほど厳密に確認をしないで入力するとその程度だと思います。
これは本で読んだ話ですが例えば指紋などもかなりいい加減な情報らしいです。
戸籍はかなり正確だと思いますが、住民票などはかなり間違っているのではないでしょうか。最近、免許の更新に行ってきたのですが、免許証の配布のときに斉藤という字は30種類ぐらいバリエーションがあるから良く確認しろとか言っていました。住民票の名前の間違いなどもたぶん多いのでしょう。

まあ、システムで管理されているからといって正しいことを前提にせず、データというものにはそもそも間違いが大量に含まれていることを前提に仕組みを設計する必要があるでしょう。

XXさん、コメントありがとうございます。
大規模システムの移行、そういった観点から考えてみるとこの問題に対する新たな視点が持てそうです。確かに最初にエラーデータありきで考えておいたほうが後からひどい目にあわなそうですね。そう考えると国民IDに移行するとしても今のデータが危うい状況なのでは、と思ってしまいます。そんな中で誰もがシステム上のデータを過信するようでは余計に危ないですね。

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