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クラウドコンピューティングで無人爆撃

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今、戦うコンピュータという本を読んでいます。戦争という揺りかごの中でコンピュータが育まれてきた歴史を振り返りつつ、民生分野で進歩したコンピュータが戦争を変えていく様がおもしろいです。(読みかけです)

『Amazon.co.jp: 戦うコンピュータ―軍事分野で進行中のIT革命とRMA: 井上 孝司: 本』
http://www.amazon.co.jp/dp/483991835X

この本を読みつつ思ったことがありました。無人の飛行機や戦車などといった機械にコンピュータを載せるという話を聞くことがあります。また、安全な場所から人間が遠隔操縦するという話も聞きます。これがクラウドコンピューティングのような構成になったらどうなるでしょうか?

最近iPhoneを使っていると手のひらにおさまるシンプルな装置で非常に多くの機能が実現できることを実感します。多くはセンサーをうまく使ったローカルの処理ですが、時にはサーバと通信することによりiPhoenでは実行できないような重い処理をネットワーク上のどこかで実行しているようなアプリもあります。そのようなアプリを使っているとき、iPhoneくらい非力なデバイスでもうまくセッティングすればネットワーク経由で車の運転でも飛行機の操縦でもできるのではないか、と感じることがあります。

遠い場所まで届き、かつ高速で妨害にも強い通信ができることが前提となりますが、無人の飛行機や戦車にCPUやメモリを詰め込まずとも、センサー類と無線のアンテナを搭載して親機であったり本国であったりする場所に構築した拠点でクラウド的に自動制御の処理をすることも可能であるように思います。

情報処理を行えるだけの機器を詰め込むのと、通信機器を詰め込むコストとどちらが有利かわかりませんが、「遠隔地側でいつでもロジックの変更や資源の追加ができる」という点では商用のクラウドコンピューティングがスケールアウトしてくれるのと同様に有利な点があると言えそうです。既に山奥のダム工事などで無線のブルドーザーやパワーショベルなどが活躍しているそうですが、それらは指示の変更はあったとしてもロジックの変更というのはあまり多くないのではないでしょうか。戦争の現場では頻繁にロジックを変更できることが望ましいでしょうから、そういったことが行われる日が来るかもしれません。

もしそれが現実のものとなれば、相手国のネットワークをズタズタに破壊するのが定石となるのでしょうか?

『「地球の裏側から無人航空機でミサイルを発射する」兵士たちのストレス | WIRED VISION』
http://wiredvision.jp/news/200808/2008082221.html

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