【エイプリルフール】非実在青少年に関する国際的な輸出管理レジームについて
輸出管理省は4月1日、安全保障貿易管理の強化を発表した。
新しく導入される制度の名称はロリコム(LoRECOM=Low Real-Existance Committee)。国際輸出管理レジームに非実在青少年に関する作品を追加するもので、核兵器、生物兵器、化学兵器、ミサイル、通常兵器に続く第6の管理レジームとなる。
設立・発効 | 呼称 | 規制対象 |
1978年 | 原子力供給国グループ(NSG) | 核兵器 |
1985年 | オーストラリア・グループ(AG) | 生物兵器 |
1993年 | 化学兵器禁止条約(CWC) | 化学兵器 |
1987年 | MTCR/ICOC | ミサイル |
1996年 | ワッセナーアレンジメント | 通常兵器 |
2010年4月1日 | ロリコム(LoRECOM) | 非実在青少年 |
ロリコム規制の主導となったのは非実在青少年の主要供給国である日本。他の管理レジーム同様、完全な阻止でなく不拡散を目的とした体制となっている。契機は2009年の日本産恋愛シュミレーションゲームが拡散したことにより東欧で国家を寧々派と凛子派に二分する紛争が勃発したことである。PKOによる監視下での国民投票により北ネネヴィア共和国と南リンコスタン共和国それぞれの建国・移住が行われ現在目立った混乱は見られない。その停戦に際して国連より類似のリスクを有するコンテンツ類を非実在青少年と定義し、その拡散を抑制することが提言された。
輸出国は国内の輸出者に対しリスト規制とキャッチオール規制による輸出規制を求める。輸出管理品目リストは公開され、リストに掲載された作品の不拡散に努めるものとする。リストは「基本的なもの」と、より厳重な管理を必要とする「機微なもの」とに分類される。
機微なもの
ゲーム
非実在青少年を題材としたものであって、以下の要件のいずれか1つ以上を満たすもの。
- 3つ以上の選択肢から主人公の行動を決定して進めるもの(単純なサウンドノベルを除く)
- タッチペンが付属するもの
- 物語の進捗に合わせ髪型や服装、性格が変化するもの
- 現実世界の暦に合わせてイベントが発生するもの
- マイクを通しプレーヤの肉声による入力を受け付けるもの
アニメーション
非実在青少年を題材としたものであって、以下の要件のいずれか1つ以上を満たすもの。
- 飛ぶもの
- 弾くもの
- 履いてないもの
- とあるもの
- エンドレスなもの
※ガム等のCMであって猫を模した容姿の主要キャラクターが登場する作品においては現実画像への合成であっても管理の対象とする点に注意されたし。
漫画
非実在青少年を題材としたものであって、以下の要件のいずれか1つ以上を満たすもの。
- 神様で中学生なもの
- 超度が7以上のもの
- 首ちょんぱ
- なん……
- だと……
※BL作品に関する作品であって原作を有するものの場合、国連決議801号に基づき国内での製造、流通の段階からの追跡が求められている。(ただし原作を有するものには存命中の実在人物を題材とする作品を含めない)
基本的なもの
ゲーム
非実在青少年を題材としたものであって、以下の要件のいずれか1つ以上を満たすもの。
- アイドルを育てるもの
- ビーチバレーを行うもの
- 魔女を審問するもの(タッチペンを用いるものは機微なものとして扱う)
- ギガ単位でパッチの出るもの
- 発売日にパッチの出るもの
アニメーション
非実在青少年を題材としたものであって、以下の要件のいずれか1つ以上を満たすもの。
- 深夜に上映会が行われるもの
- DVD版の湯気が薄いもの
- 最終回がボートなもの
- 人生なもの
- 忘れた頃に名前を聞いたと思ったら唸れ衝撃のパチンコのCMだったもの
漫画
非実在青少年を題材としたものであって、以下の要件のいずれか1つ以上を満たすもの。
- 敵ボスキャラが黒セーラー服を着ており主人公より人気のあるもの
- メガネ日本刀ヤンデレ超能力女子高生が戦うもの
- 邪神アバルを復活させるもの
- 鷹がテニス部員を襲うもの
- 触のあるもの
以上がリスト規制である。児童向け作品であるものの大きなお友達も十分に楽しめるデュアルユース品については追跡の難しさを懸念する声がある。その場合DVD化を待った上で初回限定オマケの有無や限定プレスと一般品の価格差などが判断材料となろう。
上記リストに該当しない作品であっても非実在青少年を想起させるような作品に関しては、輸出相手国がホワイト国(イギリス、ドイツ、フランス、アメリカなど既に紳士の多く存在する国)以外の場合にキャッチオール規制を必要とする。これは既に紳士が存在している国はともかく、そうでない国にあってはこれ以上紳士を増やさないという国際的な要請によるものである。
主要生産国である本邦はまた、輸入国から輸出国へ転換を図ろうとしている東南アジアのいくつかの国にたいして輸出管理に関する普及・促進(アウトリーチ)を行っていかなければならない。特に非実在青少年コンテンツの供給能力を有する非参加国の出現は、全世界的な拡散・汚染という悪夢を招きかねない。二次創作という特徴を持つ非実在青少年という作品だからこそ、アウトリーチ活動が非常に重要である。
輸出管理省が輸出当事者に対し「これは……」という通知(インフォーム)を行うことがあり、その場合は「あさひちゅーという呼称は『あさひ忠商事』という架空の企業名を指すものであり中学生ではないことを補足させていただきます」などの申開きを行うことが必要となる。
参加国が何かの理由で非参加国に対するロリコム規制品の輸出拒否を行った場合、その相手国、品目、拒否事由などを参加国で共有しなければならない。特に機微なアニメ作品については放映後3時間を目安にCMカットを行った上で動画共有サイトにアップロードし、参加国による検証を受ける準備をすることが求められている。体制発足前の出来事であるが、釘宮ウイルス蔓延国を対象とした輸出で拒否がなされたクンカクンカ事件は記憶に新しい。これはウイルス蔓延の事由が第1作の放映と密接な関係にある中でそのまま第2作の放映を行った場合、看過し難いインパクトを与えることが容易に想起されたことによるものである。今後すべてのレジーム参加国はこのような対応を取ることが望まれる。
以上がロリコムの全容である。国際的に見れば本邦は世界で消費される非実在青少年作品のほとんどを生産するロリコム大国であり、各国からの目線が厳しいことを意識しなくてはならない。と同時に、ロリコムの趣旨が「不拡散」すなわち民間の経済活動を過度に圧迫することを良しとしない思想に裏打ちされたものであることもまた忘れてはならないであろう。
本エントリはエイプリルフール企画のため、4月2日以降に削除する可能性があります。
エイプリルフールの終了に伴い、タイトルに「エイプリルフール」と明記しました。