年末ランキング:オルタナブロガーlivedoor Reader獲得ランキング-マジックミドルだらけ-
今年も終わりが見えたところで年末っぽいことを考えていたところ、吉川さんの手によりはてブ獲得ランキングが発表されていました。二番煎じでlivedoor Readerの購読者数ランキングを作成してみました。
はてなブックマーク獲得ランキングTOP30
livedoor Readerではhttp://reader.livedoor.com/about/以後に任意のRSSフィードのURLを連結してアクセスすると購読者数を知ることができます。オルタナティブブログでは各ブログごとにatom形式とrss形式でRSSフィードを配信しているため、双方の購読者数を取得して合算しました。たとえば私のブログのRSSフィードをRSS形式で購読しているユーザはこちらからわかります。
http://reader.livedoor.com/about/http://blogs.itmedia.co.jp/yohei/index.rdf
購読者数データは2008年12月27日に取得したものと、2008年1月10日に取得したものです。2007年データは単年度だと「へー」くらいのインパクトしかありませんでしたので、ごく一部の関係者で回付したあとにお蔵入りしていました。今回1年後のデータと見比べてみたところ、分析にある程度の重みを加えてくれたようですのでデータを捨てなくて良かったと思いました。
そういうわけで2008年のTOP30を発表します。
こちらを見て感じる事は、あまり大きなランキング変動がないことです。特にTOP5が入れ替わりなしという点が興味深く思います。どうやらRSSを使って読むユーザをひきつける何かがあるようです。
そんな中で学校裏サイトを取り上げた事で紙メディアへ登場するなど活躍したけんじろうさんは大幅にランキングを上げてきました。一度大きな注目を集めた際に「このブログは要チェックだな」ということでRSSに追加した方が多いのかもしれません。
メタボ気味なロングテール
TOP100までを入れてグラフ化した様子です。見た目はロングテールの見本のようなグラフの形をしており、ヘッド部分が明確であるということは言わずもがなのことです。ところがよくみると中太りしているように見えないでしょうか。じつは購読者数が30人を切るのが50位のところ、10人を切るのが90位というミドル層がしっかりしたグラフなのです。徳力さんの言うところのマジックミドルという言葉がぴったりで驚きました。マジックミドルとはこのような層を指すそうです。
もともとはTechnorati創業者のDavid Sifryが提唱したキーワードで、被リンク数を指数化しているTechnoraiらしく20-1000の人にリンクされているブログやメディアを言うようですが、もう少しゆるく真ん中ぐらいというイメージでも良さそうです。
『tokuriki.com』より
ここからヘッドに入るまでにどのような努力が必要なのか、これから注目していきたいと思います。(早くも来年の目標ができました。)
不肖RSS購読者、死んでもフィードを離しません
2008年の順位から2007年の順位を引き、降順に並べてみました。すると上位のユーザには2008年に投稿数を増加させたブロガーが多数はでした。黄色に塗った5人のうち4人は2007年から年200エントリ以上を投稿していて既に多いのですが、2008年には更にエントリを増やしています。
反対に順位を下げたユーザには(1)投稿数を減らしたユーザと(2)投稿が少ないユーザという2つのグループがありました。年に100本以上のエントリを書いていてもペースを落とせばRSS購読者数ランキングが落ちるという厳しい面が見えます。
その間の層ではエントリ数がほぼ前年並みであり、またエントリ数が極端に多くも少なくもありません。ペースを維持すれば既存購読者は抜けず、また自然増があるために現状を維持できるようです。
RSS購読者が読んでくれるからせっせとエントリを投稿したいと思うのか、せっせとエントリを投稿するからRSS購読者が集まってくれるのか、どちらが先なのかはわかりません。しかしエントリを増やせばRSS購読者数の増加ペースが大きくなり、減らせばペースが小さくなるのは確かなようです。ここでのポイントは「ペース」です。2008年のエントリ数に着目してみると、ゼロや7、14といったブロガーでもRSS購読者が増加しているのです。RSSを購読する上で、更新頻度が低いRSSは「邪魔」にはなりません。むしろ1日に10エントリ更新などされると未読が増えて煩わしいほどです。そう考えるとオルタナブログの標準的なブロガーにとっては、RSS購読者数はほとんど減らないといって良さそうです。
昨年の考察では、1日1回以上の頻度で更新するブロガーはRSS登録者が伸びないのではないか、という仮説が思い浮かびました。頻繁に更新されるサイトは直接訪れても良いわけで、更新されていると思ってサイトにアクセスしたのに未読記事が無いという「空振り」に遭う可能性が低くなります。反対に更新間隔が長いサイトは空振る可能性が高いためにRSSで更新情報をキャッチするまでは訪れないほうが効率的です。今回は年間のエントリ数が100以下のブロガーと200以上のブロガーを比較してみましたが、相関はありませんでした。残念。
小ネタ1
2007年にはTOP30ブロガーなのにRSS購読者が少ないという特異データがありました。昨年52位と53位で振るわなかった自分と『ビジネス2.0』林さんです。今年は順位を伸ばし、ページビュー回数による順位とRSS購読者の順位との格差が解消されました。しっかり書けばRSSも増えるということを示しそうです。
コネタ2
2008年にオルタナティブブログに参加し、RSS購読者を2人以上獲得した人と、エントリ数が20以上あった人を抽出してみました。
相関があるような気がします。自分が大学の教授だったら再提出を命じてやろうかというほど円がでかいのが気になりますが、書き直していると2009年がやってきてしまいますのでこのへんでお茶を濁してしまおうかと思います。
と思いつつも年の終わりに悔いを残したくないので作り直しました。フォントが違っていたりとかプロットした点に円がかぶってしまったりとか想像以上に時間がかかるものです。どうせオルタナ関係者しか見ないのに。
心の目で見ていたら2つのクラスタに分かれてきました。おそらくブログ開始時に身の回りの人にアピールしたり、自己紹介が良かったりすると青い円のグループのように少エントリ数ながらRSS購読者を獲得できるのでしょう。ここで投稿が止まってしまうとこの円から抜け出すことはないでしょう。そこからエントリ数を重ねていくことで赤い円のグループに入っていくのだと思われます。赤い円のグループに入ったところではエントリ数を多く積み重ねるほど多くの購読者を獲得できるようです。
〆ます
オルタナティブブログはその内容もさることながら、それなりにマジメに更新するブロガーと、すぐにやめるブロガーが適度にまじった箱庭的ブログコミュニティであると思います。今は世界のブログの3本に1本は日本語と言われるほどに膨大になった日本ブログ界ですが、膨大になったが故に見通しにくくなったその姿はオルタナブログを通すことで把握しやすくなるかもしれません。なんせオルタナブログを書いている人は一見偉そうに見えますが、満員電車で通勤するサラリーマンがほとんどなのです。
マジックミドルなんていう言葉も飛び出しましたが、2009年もきっと広いブログ界全体で起きるイベントがオルタナブログでも見られるでしょう。お楽しみに!
オルタナティブ・ブログから、ITのいまを知る新たな発見があるはずです。