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不要な手術による死亡事故、不要な開発による倒産

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イタリアのある病院で医療費を稼ぐために不要な手術が行なわれ、25名が死亡したそうです。医師の中にも多くの収入を得たいと考える人がいても不思議ではありませんが、それにしても被害が大きすぎるように思います。被害に遭われた方のご冥福をお祈りいたします。

ITというのは企業にとって治療のために使われることもあり、コンサルタントやシステムアナリストと言われる人はそういう場面で医者のような役割を果たすとも言えるでしょう。残念ながらITの世界でも本来不要である治療を施すことで企業の病気を悪化させてしまうケースがあるように思います。

システムアナリストの試験を勉強した時のことを思い返してみると、業務内容の1つにシステム化計画の妥当性について検討しましょう、というものがありました。これは、簡単に言うと本当にそのシステム化をすべきですか?という問いの答を考えてみましょうということです。

もう少し細かく言えば、そのシステム化により経営上の課題は取り除かれるか否かという点(有効性)と、そのシステム化に要する費用はシステム化によって新たに発生する利益よりも小さく済むか(費用対効果)という点を確認しておきましょうということになります。他にも、既存システムの改修などによりもっと安く実現できる方法は無いか(最適性)、ですとか企業の成長戦略に適合しているかどうか(インフラが社員の増加に追いつかなくて困るとか無いように)などが検討のポイントになってくるでしょう。

場合によっては経営者と一緒になって極めて高度な決断を迫られる事もあるはずです。競争が激化している分野におけるインターネット上のサービスのような市場では、先進的な情報システムへの投資が成功の可否をわけるというケースも出てきます。となると、普通なら半年で1000万円の投資で完成するシステムを5000万円かけて3ヶ月で作る価値はあるか、なんてことを考えて結論を出さなくてはならない場面があるかもしれません。(多くの場合では意思決定に必要となりそうなデータを提示するに留まり、経営者の判断に委ねる事になろうかと思います。というか私が経営者ならそんなに大切な事を外から来た人に任せられるかどうか自信がありません)

これらの確認項目に共通するのは、システムアナリストの視点では企業が成長することを第一の目的に考えているということです。これはまさしく医師が患者の存命やQOLの向上を第一に考えるのと同様です。お客様たる企業が「こういうシステムを作りたい」と要望しているのに対して「やめときなさい」と言えるのがシステムアナリストの視点であるでしょう。

反対に今回のニュースとなった医師のように儲かるからと言って不必要なシステムをぼこぼこと作って健康を損ねる(=業績悪化)ですとか死ぬ(=倒産)という結果を招くのはヤブ医者(=ヤブアナリスト)です。

先日、今年の春の情報処理技術者試験の合格発表がありました。それをきっかけにして秋に何を受験しようかと考えている人が多いかと思います。システムアナリスト?なんじゃそりゃ、という人にはどうやら2008年7月をメドにシステムアナリストの知識体系であるSABOKのドラフト版が公開されるそうですのでそちらを確認してみてはいかがでしょうか。PMPに対するPMBOKのような存在の資料ではないかと推察されます。

システムアナリストの知識体系「SABOK」、BABOKと同時期に登場:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080529/305213/

そういえばシステムアナリストに合格した時は日本システムアナリスト協会に入ろうかと考えていたのですが、どうも公式ページの更新頻度が低くて活動が活発なのかどうか計り知れないことと、私のような若造が入っても情報をもらうばっかりで何もためになることができなそうだということと、オルタナティブブログというユニークなコミュニティに所属することができたということで宙ぶらりん状態です。どんな感じなんでしょうか?

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