情報処理試験に別解はあるのか
基本情報を受けた方は自己採点でおおよその合否がわかっていることかと思います。
その他の試験も論文を除いてTACやiTECのサイトに解答速報が掲載されました。
4月情報処理技術者試験 解答速報|資格の学校TAC[タック]
http://www.tac-school.co.jp/sokuhou/joho/joho0804.html
本試験解答情報 | 本試験について | 株式会社アイテック
http://www.itec.co.jp/siken/sokuho/2008s/
毎年思うのが、これらの速報および受験者の解答とIPAの解答の間にいくつかの違いがある場合にどのように採点されているのだろう?ということです。
例えば今年、システム監査技術者の試験ではデュアルコントロールに関する問題が出ました。デュアルコントロールとは監査の基本的な考えの1つである「牽制」に関するものです。2人一組で作業を行うことで、お互いにミスや不正を指摘し合うことができるため、リスクを低くすることができます。
まず出題では、「オペレータは2人一組で仕事をする」というような記述がありました。この2人一組で、というのがデュアルコントロールの事を言っているのか、それともただ単にシフト上ペアで入れてあるだけなのか、これ以上明確な表現がないためわかりませんでした。
そしてそのオペレータが不正をするかと考えるか、それともデュアルコントロール下にあるので不正は考えなくて良いと考えるかによって解答が変わってくるような問題がありました。こういった問題では出題者が想定する答えと解答者が問題文だけから判断して作成する解答が異なって当然です。こういった場合に必要になってくるのが別解です。
この別解が存在するか否か、はっきりとしたことが明かされたことはないはずです。出題の都合で2つ解答があるとか、まちがって2個解答がある問題を出してしまったということではなく、蓋を開けてみたら多くの人が誘導された解答があった(それが出題者の想定外だった)という際に、どのようなガイドラインに沿って対応されているのか事前には知らされていません。
大学入試センター試験やTOEICもそうですが、大規模なテストは解答用紙が返却されなくても疑問に思わない風潮があります。しかし我々が小学生や中学生の時はどうだったでしょうか。自分の誤りを確認し、正解との差異を認識するためには間違った部分を確認する事は重要なことです。その点、これまで正式な解答が公開されなかった情報処理技術者試験で解答が確認できるようになったことは大きな進歩だったと思います。
しかし自分の解答がどのように悪かったかを確認するためには、やはり自分の解答を返却してもらうのが一番だと思いますし、可能であればどこが間違っているかを指摘してもらえると最高であると思います。資格試験というとその人の能力の認定のみに視点が固定化されがちですが、業界全体の技術力や知識の底上げという目的からすればそこまで力を入れてみても良いのではないかと思います。
いや、まだ落ちたと決まったわけではない!