システム監査技術者を受験してきました(2回目)
システム監査技術者をいつまで信じていたかなんてことはたわいもない世間話にもならないくらいのどうでもいいような話だが、それでも俺がいつまで監査人などという想像上の業務を信じていたかと言うとこれは確信をもって言えるが最初から信じてなどいなかった。会社の年度末に現れた会計士は公認ではないと理解していたし、記憶をたどると周囲にいた社員たちもあれが本物だとは思っていないような目つきで部長のフリをした課長を眺めていたように思う。 そんなこんなで社員が書類に捺印しているところを目撃したわけでもないのに年度末にしか仕事をしない●●●の存在を疑っていた賢しい俺なのだが、横領や不正アクセスや偽装派遣や利益供与やインサイダーや労働基準法違反やそれらと戦うアニメ的―特撮的漫画的ヒーローたちがこの世に存在しないのだということに気付いたのは相当後になってからだった。
などと某小説の冒頭の改変を思い浮かべつつシステム監査技術者を受験してきました。昨年の受験で花と散る事ができず、こうして恥ずかしながら、生き永らえて受けて参りました。
まずは会場の紹介を。去年は椅子と机が自分の体と合わなくて辛くて仕方なかった立教大学です。この時点でモチベーションが下がりまくりでした。
こちらが立教大学の前の道路です。この横断歩道は石垣であり、手前のこちら側は生者の世界、渡ってあちら側は星も風もない死者の世界です。と言うのは冗談で、左がソフトウェア開発技術者の試験地、右がシステム監査技術者の試験地です。
ソフ開の会場です。旗が風にひらめきます。
案内図を見てみました。ソフ開はやはり会場がとても多いですね。
ソフ開の受験者の平均年齢は約29歳です。ちょっと前までキャンパスにいたという方も多いでしょう。
こちらがシステム監査側の会場です。
会場一覧とは違う案内図ですが、ソフ開と比較すると教室の数が少ないです。昨年はA棟で痛い目に遭いましたが今年はB棟でした。写真を撮り忘れましたが、オーソドックスな階段教室で快適でした。(でもやっぱり椅子が動くほうが良いなぁ)
監査の受験者の皆さんです。レッツフレッシュ。
中に入ってみると、これはもしや去年みた光景では……。
やはり、就職コーナーでした。今年も多くの人が魅入っていましたが、皆さん最近の学生の就職活動に興味があるんですよね。探してるんじゃないですよね。そう信じています。
就職支援講座を見てみたところ、残念ながらIT系はゼロでした。FPや簿記など文系資格が多かったので元々理系資格はやっていないのかもしれません。
隣に目を移すと六大学野球のポスターが。ハンカチ王子はいませんでした。ここから学生パワー全開の殺人光線が受験者のHPを削ってきます。
学生向けの1泊2日のリトリート合宿の案内。こういうのありましたね。本学のリトリートは一時期「あいのり」みたいになったので見直しが検討されたとの噂を聞きました。(参加したことないので真偽は不明です)
初めてのひとり暮らしの人を支援するポスター。この第一歩から20年くらいひとり暮らしすることもあるんだよ、とは書いてありませんでした。
手作り感が溢れる献血のポスター。三越の包装紙の「mitsukoshi」のサインを書いた方の作品によく似ていますが「アンパーン血」というキャラクターなので関係ないようです。ひょっとすると昨今の著作権法の行使に対する姿勢の表明なのでしょうか。学内における公権力の行使に断固反対!国家による学生自治への蹂躙・不当介入を阻止せよ!我々は徹底的に抗戦する用意があり、要求貫徹まで無期限にストを決行するものである!という熱い思いを表現した……わけではないようです。
自己啓発セミナーの勧誘に注意とのこと。そういえば学生時代にキャンパスで新興宗教の勧誘っぽい人に「神を信じますか?」と聞かれて事があります。おもしろいから敢えて引っかかってみようと思って話をよく聞いたら神学部の学生が単位を取るためのアンケートでした。疑ってすみません。
クラス発表。語学のクラスって少人数で固定メンバーなので仲良くなるんですよね。一組くらいアベックが誕生したり。互いの下宿に入り浸って授業に出なくなって落として留年という落とし穴は自己啓発セミナーよりも脅威だと思いますのでそちらを啓蒙したほうが良いと思います。
我に変える毛筆。ああ。学生じゃなくなったんだ。日曜日なのに自己啓発のために受験しに来たんだ、と目が覚めるような毛筆です。付け入る隙もありません。左下のところは「情報処理技術者試験」で良いんでしょうか。「情報処理試験センター」くらいが妥当ではないかと思います。もし「情報処理技術者」だったら変ですね。「洗面所」がIT技術者の総意みたいな。
帰り道です。こちらは石垣の手前、アーキペラゴです。
こちらは石垣の扉の向こう側。この道路には決して崩れる事のないジェリコの壁があるように思えますが、考えてみれば2003年春のソフ開合格からたった5年で角笛が吹かれる事となりました。2007年春のシステム監査の試験では全受験者3982名のうち、20代の受験者はたった285人でした。当時26歳でしたが、26歳以下の受験者をすべて合わせても59人しかいなかったんですね。通り過ぎる人が受験票の生年月日をチラ見していたような気がします。
さて、簡単に回答を振り返ってみました。
午前の結果は45/55で問題なかったようです。簡単な講評を行いますと、「クイズ王」化が進んでいるように思います。以前は過去問からの出題比率が高すぎて問題だと言われていましたが、どうも最近はマニアック傾向にあります。知っていれば早押し状態の新しいキーワードの出題(グリッドコンピューティング、オープンソースソフトウェア、アンチエイリアシング、ブルートフォース、フォレンジックなど)が目立ちました。また、覚えるのがややこしい規格系の問題も(数えたわけではないので体感的に)多かったように思います。JIS Q 27001、JIS Q 27002、JIS X 5070、X509などの単語が出てきました。一方で、4択問題のすべての選択肢を読んで「適切な対応を選べ」というような問題が減ってしまったように思います。そういった判断は午後に任せて午前は知識がない人を容赦なく切るということなのかもしれません。
午後1の結果はわかりません。が、不安があるほど悪くはありませんでした。去年はこう言っていて落ちました。デュアルコントロールで2人ともミスするとかあるのか?とか管理者自身が悪い場合はどうするんだとかそういうところが気になってしまって注意力が発散しがちです(言い訳)。そういう問題は妻の解説を聞くと納得できる答を聞かせてくれるので驚きます。さすが一発合格しただけの事はあります。なお昨年は出産のために里帰りしていたので全然教えてもらえませんでした(言い訳)今年は育児が忙しくて勉強を教えてもらえませんでした(言い訳)
午後2は開発業務で対応したことのある分野の問題が出ました。可監査性を意識した設計を行う必要があったためサクサクと書き進めていたら800+2600というボリュームになってしまいました。長すぎて評価が悪くなったんじゃないかと心配です(言い訳)また、「知ってる知ってる」と浮き足立った感じで書き進めてしまったために論点がぶれた箇所がありました(言い訳)
そもそも土曜日に同期の結婚式があって勉強ができなかったんですよね(言い訳)休み時間にブログ用の写真撮ったりしてあまり頭を休める事ができなくて(言い訳)
というわけで、受かっていたら今年こそ妻に大きな顔を、というか対等の顔をしたいと思います。