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SEはよく笑う

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SEはよく笑う仕事だと思います。

今日の朝刊に『関西大が「笑い測定機」開発』という記事が載っており、ITmediaオルタナティブブログでも大木さんがエントリをしておられました。意外と思われるかもしれませんが、SEは笑う事が多いです。端末に向かって黙々と無表情に仕事をすると思われているかもしれませんが、そういう人だけではありません。たぶん。

「走れ!プロジェクトマネージャー!」 > 会議に笑いは必要か? : ITmedia オルタナティブ・ブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/tooki/2008/02/post-b693.html

打ち合わせなどで、お客様が現状業務の嫌なところ、悪いところを訴える際は、笑顔で耳を傾けて同意します。我々が力になりますので一緒にこの問題を解決していきましょう!という笑顔を見せることで安心して仕事を任せてもらえる効果があるのではないかと思います。お客様の訴えを深刻で苦々しい顔で聞いていたら「こいつに任せて大丈夫か?」と不安になるかもしれません。自信に満ちた笑顔ができると良いアピールになると思います。

ごく稀に、ですがお客様が現在サービスを受けている同業他社の悪口を聞かなくてはならない時もあります。それはお客様が単にストレスを発散したがっているというよりは、「あなたたちも気をつけてくださいね」と釘を刺されているのではないかと感じる事もあります。いずれにしろ、どんな表情で聞けば良いのか難しい事が多いです。いくら同業他社とは言え本人がいないところで「最悪ですねー」なんて盛り上がるのは後味が悪いですし、同業のよしみで過剰にかばうのはお客様からしたら気に入らないことでしょう。というわけで微笑で済ませてるくらいがちょうど良いように思います(私の場合)

開発面では、もちろんシステムがうまくリリースできた時は笑顔です。特に長い間べったりと面倒を見てきたシステムが稼働を迎えたら嬉しさがあふれてきます。反対に長らく使ってきたシステムが終息し、シャットダウン時のログがコンソールにバラバラと吐かれる様子もまた笑顔で「お疲れ様」という感じで見つめることになります。

ハードウェア障害など絶望的な状況に追い込まれると笑う人が多いです。もちろん苦虫を噛み潰したような顔になる人も多いのですが、自分はよく笑うほうです。サーバルームで障害発生を知らせる警告ランプの点灯を1人きりで見つけたときも結構笑います。「fatalだってさ。『城之崎にて』か!ははははは。」なんていうのは笑わないとやってられない状況です。

また、深刻な状況を少しでも楽に他人に受け入れてもらうために笑顔で伝えるというのもあるかもしれません。「サーバクラッシュが頻発してる問題、ベンダーに問い合わせたら『仕様です』だって」「スケジュール1か月前倒しだって」ですとか「○○さん、UTUで休職したって」という感じでしょうか。(本当に深刻だったらSE同士でも深刻な顔で報告しますが)。もちろん、こういった深刻な状況の後に無事生還した場合も「良かったね」といって笑顔になります。

また、IT技術は早いスピードで進歩を遂げていますので、かなり技術を磨いた人でも理解できないような挙動に出くわしてしまうことがあります。そういった人の手ではどうしようもない事態に出くわした時にそれを「はっはっは」と笑い飛ばし、チャレンジングな気持ちを奮い立たせて困難を屈服させたがる人こそがこの業界に向いているのかもしれません。辻さんの「愚直に積め」の『23:笑顔のある会社はいい会社である』にも

真剣に取り組んでいればいるほど、失敗は辛い経験である。しかし、新しい事に挑むベンチャー企業では失敗は日常の事であり、失敗の数だけ、成功に近づける。とは言え失敗は苦痛を伴う。そんななか、雰囲気を軽く保つのは、貴重なことであり、笑いが個人の精神の清涼剤として機能する。

とありました。相手が人間である場合はコミュニケーションとしての笑顔になることがあるわけですが、相手が機械である場合の笑顔は相手のために笑顔になるわけではありません。機械はこちらの笑顔を理解してくれるわけではありませんので、自分の精神を安定に保つために笑っているというのが本質なのかもしれません。そんな苦しいところもありますが、何かを作り上げた時の達成感からくる笑いは本当に幸せなものです。そういう時、この仕事をしていて良かったなと思います。

# なお私の兄は大学時代に新しいオートバイを外国人窃盗団に盗まれるという痛い経験をしたことがあるのですが、友人に打ち明ける際に「バイク盗まれちゃった。ははははは。」と高笑いしたということを結婚式でネタにされていました。私がよく笑うのは遺伝かもしれません。ははは。

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