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「公式ブログで謝罪」という謝り方

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ある歌手が「35歳で羊水腐る」という発言をして批判が巻き起こり、間もなく公式ブログで謝罪したそうです。

(# 2008/2/2 公式ブログではなく、公式サイトでした。)

誰しもミスはするものですので、発言の是非についてはちょっと置いておきまして、謝罪の方法が気になりました。最近この「公式ブログで謝罪」という謝り方というのを良く見かけます。主な分類として2パターンあり、

  1. ブログの内容について謝罪
  2. ラジオやテレビなどで引き起こした事について謝罪

となります。このブログで言った事をブログで謝ると言うのは不自然ではありません。最近はネット界隈を中心にテレビを見ない人も少なくありませんので、ブログの件についてわざわざテレビで謝られても見る機会が無いかもしれません。

一方、ラジオやテレビなど現実の世界で引き起こした事についての謝罪を公式サイトで済ませるということについて違和感を覚えていらっしゃる方が少なくないようです。失言が聞こえてくる時はマスメディアを通して嫌でも入ってくるのに対して、謝罪については自分から積極的に見に行かなくてはいけない公式ブログに載せるとは何事だ、と思っても不思議ではないと思います。

確かに公式ブログに謝罪が掲載されれば某歌手のように「ブログで謝罪」というニュースが流れ、その事が聞こえてきます。しかしながら失言が「働く機械」や「羊水腐る」のようにわかりやすいフレーズで伝えられるのに対し、謝罪については「ブログで謝罪」という事実のみがさらっと報道されます。そのせいでイラっと来た感じが解消されにくいのかもしれません。

以前から謝罪FAXという方法もありました。謝罪FAXも同じですが本人が書いたかどうかの信憑性に欠けるところもまたブログ謝罪が好意的に受け止められない理由のひとつであると思います。メリットがあるとすれば、ワイドショーの放送を待たずに謝罪の気持ちを早急に公開する事ができるところでしょうか。

謝罪と言えば私が仕事をしてきた中でひとつ後悔しているところがあります。私の失敗でお客様にご迷惑をおかけしてしまったことがありました。電話で謝罪し、後日頭を下げにお客様の元を訪れました。幸いにも大事にならなかったため、私が頭を下げたあとに笑顔で「まー次は気をつけて(意訳)」という形で許していただけました。

ここでなんと、私のほうまで「どーもすみませんでした。えへへ。」と笑顔で謝ってしまいました。人間の本能なのか、相手の方が私に対して微笑みかけてくれている時に自分が不味い表情をしているというのはやりづらいものなのかもしれません。しかしながら、笑ってしまってはいけなかったと思っています。頭を下げる側の態度ではありませんでした。

私にとって謝罪の言葉というのは聞く側の立場としてもできれば聞きたくないものです。確かに清々しい謝罪というのもあると思いますが、過剰に弁解されれば鬱陶しいですし、過剰に頭を下げられれば恐縮してしまいます。そう考えると自分が謝る立場になった時は、迷惑をかけた上に『謝罪を受けるという嫌な役割まで負わせてしまった』というプラスαの申し訳なさを胸に抱いて挑むくらいでちょうど良いかと思っています。

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