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河川と橋の大切さ

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永井さんのどのように多摩川を渡るかというエントリを見て、劇場版パトレイバー2を思い出しました。

先週は田園都市線の遅延をきっかけにして都市生活を支える基盤の弱さについて指摘するエントリーがいくつかありました。

一極集中を続ける東京の、この危機と責任
災害そして戦争等の有事に力を発揮するWeb2.0の技術
震災で、東京から神奈川方面に向かう交通手段が全て停止。その時、どのように多摩川を渡る?

劇場版パトレイバーの第2作では、東京の周りを流れる大河川にかけられた橋が爆破されます。大きな川は光ファイバーも橋を通って敷設されるため、橋が破壊されると人の往来だけでなく、通信などにも影響が出ます。首都圏の通信が大混乱を起こしてしまいます。これ以上を書くと映画のネタバレになってしまうのでこの辺にしておきますが、永井さんがご指摘の通り、橋というのは重要なインフラなのですね。

橋の近く、すなわち各種のインフラ系統が県境を挟んで異なっていれば災害時に越境して支援を求めることができるかもしれませんので、川沿いや県境にはそれなりのメリットがあるとも考えられるでしょう。 (もっとも、安易な越境は復興の支障となるかもしれませんが)

河川は往来を妨げる邪魔なものでもありますが、1つの輸送ルートとして考えることもできます。例えば東京都でも「河川利用による災害時輸送訓練」のような検討が行われています。何も最近始まった話ではなく、以前NHKスペシャルで「復興~ヒロシマ・原子野から立ち上がった人々」という番組が放送された際には、航空写真に写った河川に原子爆弾に傷ついた市民を救助するための船が浮かんでいるところが紹介されていました。現在でも23区内のゴミの一部は河川を利用して輸送されているようです。そういえば京都の琵琶湖疏水も船を使った物流ルートとしての性質を備えていました。繁華街である木屋町通りの近くを流れる高瀬川も物流で活躍したものでしたね。蹴上のあたりは今年もきっと紅葉が綺麗だったことでしょう。

その河川の保守と言えば、以前堤防で暮らす方が飼っていたウサギが増えすぎてしまった事がニュースになったことがありました。デイリーポータルZのこちらの記事によると、ウサギの穴でも堤防にとっては危険なものだったんですね。それにしても毎日60kmに渡って堤防を巡視されているとは恐れ入りました。

思えば会社に行くたびに隅田川をくぐり、荒川にかかる鉄橋を渡っているわけですが、その重要性を気にした事がありませんでした。有事の際の帰宅ルートとして道路だけを覚えるだけではなく、どこにどれくらいの大きさ、古さの橋がかかっているかくらいは確認しておこうと思います。

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