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システム化の提案をするタイミング

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システム化を提案するのに最適なタイミングというのはあるでしょうか?
私は新規のお客様に提案をしにいくような経験がありませんが、
普段耳にするニュースから4つのタイミングを考えてみました。

1.会社が儲かった

高額な宝くじに当たったということを公表すると、
どこからともなく寄付のお願いや、絵画や土地のセールスの
電話がかかってくるようになると言います。
企業でも同様に過去最高益や○期連続増収増益を達成したタイミングで
「どうですか?」と提案をするのは良いかもしれません。
株価に与えるインパクトを考えると、実効性もさることながら
マスコミに報道されるような派手な提案が好まれる可能性もあります。

2.会社が儲からなかった

儲からなかった時は、システム化により社員の持てる力を
解き放つということが効果的であるように思います。
魅力的な商品を作る力があったり、技術力があったり、
ブランド力があったりする企業に関しては、
新システムを構築することで難局を乗り切るという再建計画を立てて
資金を募ることも可能であるように思います。

しかし「儲かりませんでしたので新システムを入れます」
という宣言をするとなると内外に向けた内容の発表の仕方が難しそうです。
システム化は、特に間接部門を中心としたリストラクチャリングとセットで推進されることもあるからです。
(普段の業務をシステムに任せて事務量を削減し、社員を解雇したり、別部門に回したりするなど)
そういった場合、リストラ実施の有無に関係なく、噂が噂を呼んで組合から反発の声があがるかもしれません。

また、あまり実現性や実効性の薄い派手な提案をすると
株価に影響を与えてトドメになりかねません。
堅実な提案でなければ企業の所有者たる株主から反発を受けるかもしれません。

3.制度・法律が変わった

法律が変わって便利になる場合もあれば、
法律が変わって不便になる場合もあります。
e文書法のように電子媒体で帳簿類が保存できますよ!というように
便利さをアピールするように提案できるものもあれば、
J-SOX法が施行されますが、御社は大丈夫ですか?というように
危機感を伴って提案を行う場合もあります。
どちらの場合にせよ、経営の4Cで言うところのcircumstance(環境)に対しては
勝手に変化がやってくることはあっても、企業から働きかけても変化を起こすことは難しいです。
当事者になる企業にとって有利/不利な変化ですが、
SIを生業とする企業にとってはどちらも市場拡大のチャンスにしやすいと思います。

# 4CというとCompany(自社),Competitor(競合他社),Customer(お客様)あたりは共通しているのですが、
Communication(情報)やCo-operator(協力他社)やChannel(販路)など色々なバリエーションがあるようです。
関係ないですが、結婚指輪や婚約指輪を買うときは「もう聞き飽きました」っていうくらい
熱心にダイヤモンドの4Cについて説明を受けますね。3店目以降は食傷気味になります。

4.会社が問題を起こした

昨今の企業が起こした問題はいろいろありますが、
新システム導入により、改善を目指すものが多くありました。
チャネルを開くタイミングさえ失敗しなければ効果的なのだと思います。

例えば商品の販売先の管理ができておらず、いざリコールする場合に
商品の回収が困難になってしまった件。
こちらは個人情報保護法の導入に伴い、紙で管理していた大量の個人情報を
適正に保管するスペースが見つからず、廃棄してしまったことにより
リコールの際に大きな問題になる企業が増えているという話を聞きました。
運悪くリコールを起こしてしまった企業に対しては、
「セキュアかつアクセシビリティの高いシステムです」というような文句で
顧客情報を管理するCRMのようなシステムを提案すると良さそうです。

また、情報漏えいを起こしてしまった会社もあります。
そういった会社に向けては入退室やPCからの情報書き出しを
記録したり制限したりするシステムの導入が効果的であるように思います。

食品の原産地を誤って出荷してしまったような会社もあります。
そういった会社に向けては社内で商品の情報を適正管理するための
SCMのようなシステムを提案すると良さそうです。
加えて、信頼回復のために商品にQRコードを添付して
より詳細な生産者情報を開示できると一層効果的になりそうです。

 

一方で、システム化の提案とは違いますが大学の友人からこんな失敗談を聞きました。
(もう数年も前のことなのでこちらに掲載するのも問題ないと思います)
その人は、ある地方に根ざした地元密着型の金融機関のある店舗で窓口業務をしていました。
ある日、高齢の女性が窓口にやってきて「息子が事故を起こした。100万円振り込みたい」
というようなことを言ったそうです。これは間違いなく、オレオレ詐欺だろう、と感じた友人は
本人をソファに座らせて落ち着かせながら応対し、最後は息子本人に連絡をとって無事を確認し、
詐欺の阻止に成功したそうです。そこまでは良かったのですが、
後日その婦人が銀行にお礼を言いに来た際、「100万円振り込むお金があるんだったら
こちらの○○○という商品はいかがですか?元本保証ですよ」というようなセールスをしました。
結果、お客様に怒られたそうです。私がそうされたとしても別に怒らないとは思うのですが、
そんな被害に遭いかけた後にそういったセールスを提案されることで気分を悪くする方も少なくないでしょう。
儲かった企業にしても、儲からなかった企業にしても、問題を起こしてしまった企業にしても、
「人が努力して得た金にたかりやがって」とか「死にかけた企業に群がりやがって」とか「弱みにつけこみやがって」
というような反感を受けることもあるかもしれませんので、チャネルの開き方には注意が必要と思います。

システム化というと、体力のある企業がより強い企業を目指して乗り出すようなことが多く、
劣勢からの挽回を狙ったり、死に体からの復活を狙ったりと言う機会は少ないように思います。
弱った企業の病巣を発見し、回復するために必要なシステムの提案を行うということは
大変難しいように思いますが、SEにとって魅力的な仕事であるように思います。
今後の成長のため、そのような現場で必要とされる問題解決力を身につけたいと思いました。

Comment(2)

コメント

山口さん、こんにちは。
つい最近、昨年度は儲かったから投資する、というお客様に出会いました。
ベンダーを前にしてそこまですがすがしい言動に出会ったことはなかったのですが、よく考えると別に隠し立てするような理由ではないし、どうして日本ってそういう「お金」に関して奥ゆかしいんだろう、と最近ふと考えたりしています。特に隣の大陸国家の「お金儲けに邁進するある種すがすがしいパワー」を目の当たりにしていると。
こちらこそ今後とも宜しくお願い申し上げます。

ookawaraさん、コメントありがとうございます。
儲けたお金はタンスにしまっておいても何にも生み出さないですもんね。世の中にお金を出していただいて、なおかつそれがシステム投資だと我々の業界は嬉しい限りです。
それにしても仕事を取りに来ているベンダーに向かってそこまではっきりと宣言するというのはさっぱりしていて気持ち良いですね。そこまで言われると「このお客様は押せば取れる!」と思ってつい深追いしていつのまにか出精値引で……などという戦略だったら恐ろしいです。百戦錬磨の中小企業のワンマン社長様にはそういう方がゴロゴロおられそうなイメージがあって恐しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。

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