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テキシア詐欺を笑えない、「年3%」という「マイルドな詐欺」に引っかかる人たち

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高齢者活用の見本事業としてのテキシア投資詐欺

テキシア投資詐欺についての新聞報道を読みました。

逮捕された容疑者3名は56歳、60歳、66歳。

退職年齢前後の中高年者でありながら、元警察官を含むノウハウを持つメンバーが集まり、4年で460億を集める事業に成長させています。

中高年退職者の能力開発が負の面で活かされた格好で、新規事業がうまく立ち上がらないと悩む方にとっては苦笑いするしか無い事案とも言えそうです。

「月3%」という巧妙なマーケティングメッセージ

テキシア社の組織構造では、ディレクター、マネージャー、エバンジェリストという肩書きを使っていることから、テクノロジー系のマーケティング手法を取り入れているのかな?とも推測される事象が見受けられます。

また、第三者からすれば報酬の設定が現実的ではないと感ずる詐欺事件も多いですが、今回の「月3%」という数字設定に工夫の痕跡を感じるのはわたしだけでしょうか。

一例として「退職者向け特別プラン、預金金利3カ月最大年5.60%」のような金融商品を見かけることもあるかと思います。

ご覧のように、「3%」の数字だけで見れば一般的な金融商品よりも低く設定されています。

あからさまに高金利をメッセージと出してしまえば信用される割合が低下しますが、「月3%」と聞いてすぐに怪しいと判断できる人がどれだけ居るかは考えてみたいところです。

月3%を笑う人が、年3%の「マイルドな詐欺」に引っかかっている?

先日、230億円を稼ぎ、「一人で日経平均を動かせる男」と呼ばれる個人投資家、cis氏の話を直接聞く機会があったことはこちらに報告させていただきました。

著書でも触れられていることですが、投資信託で人任せにして投資することへの疑問がこのトークショーの場でも提示されました。

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年金運用の世界では「任された時点で上がり」のようなケースもあるとのことで、こんな風に書籍では紹介されています。

契約によっては年間3%の信託報酬を取れるから、50億円だとしたら1億5000万になる。3年間赤字だったら解約されるらしいけど、3年間で4億5000万円。それだけ抜けたら十分。

任された時点で上がりのようなものだから、契約するまでが仕事で、あとは極端な話売買しなくてもいい。(中略)3年間遊んでいればいいことになる。

また今回の事件に関連したこちらの記事にもあるように、運用報酬を差し引いて手取りで年率3%のリターンを得るのは現在の市場環境からしてかなり高いハードルがあるようです。

そして、「毎月3%」ではなく、「毎年3%」レベルの「マイルドな詐欺」とも言うべき金融商品に引っ掛かっている人が居るだろうという指摘は考えさせられる話です。

ソフトバンク上場と証券会社の決算

儲かることをイメージさせてお金を集め、結果として儲かるのは出資した側ではなく、お金を集めた側になる...きわめて応用範囲が広いモデル構造を見出すことができます(苦笑)

この構図、こちらの報道にも見て取ることが可能です。

野村ホールディングスにも約1兆5000億円の資金が新たに流入し、約1万3000件の新規口座が開設された。みずほフィナンシャルグループの新規資金流入は約2300億円、新規口座開設は約4000件。例えば10-12月期に野村HDリテール部門に流入した資金の85%がソフトバンク関連となるなど、特需とも言える大量の個人マネーが動いた。

一方で負の側面もある。1月31日のソフトバンク株の終値は1343円で、昨年12月19日の上場以来、一度も公開価格の1500円を上回っていない。

超低金利時代、資産運用のスキルを身につけることの重要度はどんどん高まっています。

100歳生きる時代ともなればなおさらのこと。

ですが、今日紹介したような構造的な問題は、日本独特のタンス預金を金融商品に振り向けることにマイナスでしか無いような気がしますが、いかがでしょう?

最後に、犯罪レベルの話は警察を頼ることができますが、「金融商品のマイルド詐欺問題」は、闇が深いと言えそうです。

そういう意味で前述したトークショーでのcis氏のこの言葉はやはり多くのことを学ばせてくれるものがあると感じました。

年何%で回っているのは幻想で、市場金利より高く安定的に回るという話はリスクが必ずある。

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