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第4次産業革命のご時世に、文科省のメール禁止、FAXしか受け付けない学校に思うこと

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文科省のメール誤送信対策「今後、機密情報は紙で」に唖然

先日、職員約30人分の人事異動案を誤って約1700人の全職員に送信してしまった文部科学省。

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再発防止策として人事情報などの秘密保持を要する情報は、メールを使わないようにして紙や口頭でのやり取りに切り替えるという対策に多くの人が驚いたようです。

確かに、メールの誤送信という間違いは紙や口頭に切り替えれば、原因としては起きない訳ですから2度と同じミスをしないという観点からは理屈にあっているかもしれません。

多くの人が違和感を感じたのは、このメールはそもそも何人に送付されるものだったのかを把握いていませんが、印刷したり手渡しをする時間・手間だったり、口頭による伝達ミスなどが起きることを考えると、誤送信は起きないかもしれないけれど、この時代の働き方としてどうなんだ?と思った人が多かったのではないでしょうか。

そして、わたしは文部科学省という日本の教育に関わる組織がこういう判断しかできなかったという点で唖然としました。

コンピュータの計算結果を信用できずにそろばんで検算

つい先日は「学校はFAXを廃止してください」というエントリーが話題になりました。メールでの連絡はNGでFAXしか受け付けない、はたまたノートを託すという駅伝スタイルについても、多くの人が釈然としない気持ちになっているようです。

文芸春秋の2015年の2月号に、「素晴らしき高度成長時代」という記事があり、そこには東京オリンピックの際にIBMのコンピュータの計算結果を信用できずにそろばんで検算していたというエピソードが紹介されています。

わたしは47歳で通信制の大学に入学して、卒業までに筆記試験を何回か受けましたが、数字を扱う科目で計算機の持ち込み禁止になっている教科の試験勉強しながら、いまどきエクセルで無茶苦茶高度な計算も簡単にやってくれるのに、、、と何度思ったことか。

また、通信制の学校は相談できるクラスメートがいないので、初歩の統計学を勉強するにも本当に大変でした。

その自分の学習が間違っているのかを確かめるのに、どれだけエクセルとインターネットの情報が役にたったことか、、、、

日本って何か道具を使うとずるい的な発想で批判する人が沸いてくる気がするの私だけでしょうか?

人は道具を作ることによって、生まれ持った能力を劇的に増幅できる

素手でコツコツと努力を積み重ねるのは尊いけど、機械や道具を使って簡単に仕上げるのは価値が低いような判断基準を持っている人に出会った経験がそこそこある気がします。

わたしが生まれた昭和40年あたりから、コンピュータが仕事に活かされてきて、どんどん仕事は簡略化されたり、特殊なスキルを開発しなくても大量に正確な作業結果を得られる時代になっています。

そしてもう少し年月が進めば人工知能が人間の能力を上回るかも、、、って時代なんですから。

わたしはスティーブ・ジョブスのこの言葉が大好きです。

人は道具を作ることによって、生まれ持った能力を劇的に増幅できる。
コンピュータとはまさに知性にとっての自転車、知性を拡張する道具である。

この言葉に影響を受け、テクノロジの積極的活用と自らの思考や行動が世の中に変化をもたらすという信念を持ち、社会に価値貢献できる組織に自分の会社を成長させたいと考えています。

日本以外のことはわかりませんが、ここでスティーブ・ジョブスが言うような教育方針で子供たちを育てる国と、間違いを起こさないためにメールというテクノロジを排除するような判断をする組織が国の教育方針を決定している国とでは、どんな違いが生まれるのか、、、ちょっと想像するだけで恐ろしい感じです。

日本の生産性の低さへの指摘は毎度のことですが、手作業が尊く、道具を使うのはズルいという発想を切り替えて、これからは機械やテクノロジを活用して楽に仕事する方法を考えられることの重要性にもっと着目すべきなんじゃないでしょうか。

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