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応募する前に知っておきたい、大企業と違う中小企業での働き方

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このブログを偶然拝見する機会がありました。

最近ずっと思案していることとして人材と職場のマッチングのことがあります。

うちのような数人のチームで働くという中小・零細としての職場は大規模な企業で働くこととは根本的な違いがあります。

また製品・サービスで売り上げが上がっているのか、請負作業で単発の売り上げをつみあげている収益構造なのかも人件費のかけ方に違いが生じてきます。

そういう中で中小・零細としての職場環境はここに集約されると考えています。

21世紀中小企業論 第3版 -- 多様性と可能性を探る (有斐閣アルマ) によれば、大企業と違う中小企業での働き方を以下のように解説しています。

  • 企業内での自分の位置がみえる
  • 働く企業の産業内での位置がみえる
  • 特定職務に専心できない中小企業
  • 一途な職能高度化を追求できない中小企業
  • 熟練技能の中小企業的独自性
  • 便利屋にならざるえない中小企業従業者
  • 個々人の業績が直接企業業績に反映する中小企業
  • 仲間の成果が相互にみえる中小企業
  • 個々人の成果が企業の生死と個々人の報酬に直接反映する中小企業
  • やりがいと厳しさの共存
  • 活動拠点の限定性・地域性
  • 特定地域との関連を断ち切れない中小企業
  • 平均的にみた相対的低賃金
  • 平均的にみた労働条件の悪さ

ここ最近、ワークライフバランスやワークスタイル変革などが話題に上ることが増えています。

現時点で考えられるあるべき姿を追い求めるのは必要なことです。

ただそこには、すぐには超えられないギャップがあることも事実だと思います。

零細企業の経営者として思うのはマスコミなどで見かける理想的な働き方だけが正解と思いこんで、中小零細企業に入社しても多分誰もが幸せな結果は迎えられないだろうと思います。

良くも悪くも、大手との違いである、日々の稼ぎを立てることにしっかり向き合っていく精神力、その稼ぎを生み出す仕事の実力を磨いていく努力ができる素養が必要ということです。

冒頭で紹介したブログでは、日本と他の国の違いがあること知り、なおかつそれぞれの違いに応じた対策の必要性が書かれており、この主張には多くの人が同意すると考えます。

安定した雇用とライフワークバランスを求めれば、求めるほど中小・零細への就職は望まないでしょうが、入れるところがないから、とりあえず応募するという理由と、選抜するような余裕はないという逼迫した企業の事情が生み出すのは多くがミスマッチだけな気がします。

互いの大切な時間をより生産的な時間にしていくためにも、前述の中小企業での働き方を受け入れられないのであれば、そもそも応募しないほうが良いのではないかと痛切に感じる今日この頃です。

P.S.

問題意識として、平均的にみた相対的低賃金、労働条件の悪さを中小零細だから出来ない(仕方ない)という主張をしたいのではなく、どのように変革することでそれが実現するのかを模索する姿勢がまず必要だと考えています。

そのうえで実行したことが形になるという因果関係が結実するには数十年のタイムスパンが必要かもしれません。

100歳人生の時代になったら、自営農家や職人といった零細事業者が定年無き働き方として注目される時代が来る気がします。

つまり、誰にどう保護してもらえるかという環境面の良しあしで勝ち組とか負け組と分類していたような社会から、他者比較ではなく自分の人生どう組み立てて、それをやりくりしていくかという独自性と自律性が重要になる時代に変化するのではと自分は考えおり、それに向けた努力も始めています。

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