なぜ多くの企業がコンプライアンスや消費者の目は過剰なほど気にするのに、自分たちがステマ記事を作っていることについては何の罪悪感も持たないのか?
山本一郎さんの「博報堂が、日産や『テラフォーマーズ』などのPRでステルスマーケティングを展開」を多くの知人・友人がFBでシェアしていました。
ここに出てくる、
ウェブ媒体でライティングをやっている人たちの間では、相場として一回の商品発表会や記者会見に出席してウェブ媒体の名刺を渡すと1万円から3万円ぐらいが記者やカメラマン本人の懐に入ることがあります。そういう「おいしい記者会見」を見繕い、ウェブ媒体の編集部に黙って出席して名刺を渡して個人的にお金をもらう、という行為も組織的に行っているウェブ媒体があると言います。大元のクライアントはおろか、ステマを担いでいるはずの広告代理店も気づかない修羅の世界が広がっているのかもしれないのです。
↑こちらの"お名刺代"には、自分がブロガーとして交通費なども完全自腹で参加して書いていることを考えると、いろいろな思いが去来します。
この辺のステマ事情について解説してくれない?と聞かれて情報を整理していたのですが、全体像を把握するにはやはりこちらの書籍はお勧めかと思います。
とくに「第五章 ステマ作りの現場から」が複数の製作手法も含めた解説をしていてわかりやすいと思います。
詳しくは同書をお読みいただきたいと思うのですが、
著者はなぜウェブニュースでステマが広がったのかについて、ルールの不在と編集者の地位の変化を指摘しています。そして、最初ステマが話題になった際にレストランの口コミ情報が発端となりましたが、「ステマ=口コミ」という考え方はもう古いとしており、確かにとうなずけるところがあります。
冒頭ご紹介した山本さんの記事では広告代理店も気づかない修羅の世界の存在がありつっつつも、「ウェブニュース一億総バカ時代」が指摘する
多くの企業がコンプライアンスや消費者の目を気にして、記事内の表現や表記については過剰なほど気にする一方で、自分たちがステマ記事を堂々と作っていることについては何の罪悪感も持っていないのだ。
↑こっちも、こっちで問題だよな...と思う次第です。
P.S.
BtoBでネットでのマーケティングに関わる方で今回の山本さんの記事に関心があるのだけれど、ステマ記事の種類とか分からん...という方には、ウェブニュース一億総バカ時代、「第五章 ステマ作りの現場から」で紹介されるパブ記事のパターン例
- うかつな編集Aが作ったパブ記事
- 欲張りな編集Bが作ったパブ記事
- まじめな編集Cが作ったパブ記事
- ビジネスライクな編集Dが作ったパブ記事
↑これ必読と思います。