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人生は苦闘だ。CEOはひたすら経営するしかない。:書評『HARD THINGS(ハード・シングス)』

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人口減少時代ということで、大量の正社員雇用など急に好待遇に転じる会社が増えている気がします。

たしかに優秀な人材を集めるために当然の流れなのかなとは思います。ただ社会人として働くという事が自分が社会に出たばかりの頃と比較し、周りがすべてお膳立てしてあげないと仕事が出来ないとか、不条理や理不尽なことへの耐性が極端に低下していないか?と感じることがあったりします。

自分はあくまで弱者で善であり、上司や周りが悪いというような主張を見聞きすると、このような考え方についてニーチェを研究している人に、奴隷道徳に通じるのでは?と考えを聞いてみたい気もしている今日この頃。

人的資源は経営の最重要課題です。ただし事業を立ち上げて資金繰りやら共同経営者と揉めてしまったり、経営不振でリストラを経験している経営者の方も少なからず居ると思います。

佐藤さんのこちらのエントリ

とFacbookで投稿している人が数人いるのを見かけ『HARD THINGS(ハード・シングス)』を購入してみました。

会社経営については、こんな難儀な事をなんで始めたのだろう...と思う日が幾度もありますが、立ち止まる訳にはいかないので経営者は走り続けなければいけません。そんな毎日をかいくぐっている身に、このフレーズはどかなり強烈に響きました。

 あれは、CEOへのアドバイスとして史上最高だったかもしれない。なぜならあなたの会社がうまく行かなくなっても、それを気にかける人は誰もいないからだ。
メディアは気にしないし、投資家も気にしないし、取締役会も、社員も、きみのママだって気にしない。
誰も気にしない。

 そして、気にしないことが正しいのだ。たとえ失敗の理由がどんなに立派でも、投資家のお金は1ドルも守れないし、社員ひとりの職も救えないし、新しい顧客をひとり連れて来ることもできない。あなたが会社を畳んで破産宣告するときだって、少しも気分を良くはしてはくれない。

 自分の惨めさを念入りに説明するために使うすべての心的エネルギーは、CEOが今の惨状から抜け出すため、一見不可能な方法に使うほうがはるかに得策だ。やればよかったと思うことには一切時間を使わず、すべての事案をこれからきみがするかもしれないことに集中しろ。結局は誰も気にしないんだから。CEOはひたすら経営するしかない。

この書籍を一般労働者の人たちが読んで役立つ書籍なのかわたしには分かりません。経営側に身を置いた立場としては現実にはビジョンを実現化するために不眠不休で働いても、物事は計画通りに進まず多くの企業は創業から10年もすれば消えていく現実があります。

この書籍の表紙には、「答えのない難問と困難にきみはどう立ち向かうか」とあり、中で紹介されるこの一節もまた重くのしかかってきます。

人生は苦闘だ。   哲学者 カール・マルクス

多くの助言と後知恵を集めても困難な物事は困難なままだとベン・ホロウィッツが書いているのを読んで、経営もまた苦闘の一部なのだと、まずは受入れる事の重要性を感じた次第です。

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