日本のIT技術で英語学習の出版事業や英会話学校などの産業が傾いてしまうような技術革新って起こせないものなんでしょうかね?
スティーブジョブズの映画
「スティーブ・ジョブズ 1995~失われたインタビュー~ 」
を見た方はご存じかと思いますが、人間は自転車に乗ると移動能力を通常の何倍にも引き上げてくれます。
そして彼は
人間は道具を作ることによって、生まれ持った能力を劇的に増幅できるんだ。
中略
これまでの歴史を通し人類が発明したものの中でコンピュータが一番かそれに近い重要性を持つ私はそう確信している
と語っています。
こちらのYoutubeに掲載されたダイジェスト版の10分あたりから参照可能です。
その言葉通りコンピュータが進化、浸透することで様々な変革が世の中に起きてきました。
音楽の制作や録音の現場や、写真・動画撮影の現場、デザインの現場などなど40年前のアナログ時代からは信じられない設備投資でアウトプットの量と質の両面でデジタルの恩恵を受けられる時代です。
このような技術革新は低価格化して、様々な産業構造の再構築を促してきました。
ワールド・ワイドに仕事をしようとすれば英語の能力は必須な時代かと思います。
会社としての公用語を英語にすることも理解できる側面あるのですが、日本のIT技術でワトソンみたいな自己学習型の翻訳システム開発してAPI解放。英語学習の出版事業や英会話学校などの産業が傾いてしまうような技術革新って起こせないものなんでしょうかね...
契約など大事な話となれば通訳や弁護士など専門家に頼る事になるのに、得意な事を出来る、更に伸ばせる時間をわざわざ削って不得意な英語を学ぶのにリソースを使うことに疑問を感じつつも、でも大企業でこういう施策をやるというのは具体的に数字でメリットが証明されているからなんでしょうね...
私が書くまでもなく、海外で活躍されている超優秀な方々からも、こういう施策には疑問が呈されていますよね。
今北純一さんは「仕事で成長したい5%の日本人へ」の中でこんなエピソードを紹介しています。
ヨーロッパでは、マネジメントスタイルの違いを話すのに、こんな例が使われることがあります。自転車が壊れたとする。日本人は、あちこち調べ、いろいろと動かしてみて、問題がどこにあるかを見つけ出し、油をさしたりゆるんだチェーンを締めたりといったプラグマティックな解決法を採る。ドイツ人は、メンテナンスを投資と考えているので、そもそも自転車は簡単に壊れない頑丈なものを選び長く使う。フランス人は、問題点をリストアップして、それぞれの解決法を書いて、「こうすれば直るはずだ」と告げて、直すのは人任せにして自分はいなくなってしまう。オランダ人は、いろいろなやり方のいいところを組み合わせて合理的に対処する。
このエピソードを噛みしめながら、いつも紹介している生産性比較の数字を見ると、能力を劇的に増幅できる道具があるのに、その使い方を誤っているような気が少なからずしてくるのでした...