1億4000万円が妥当だと言う気は無いけど、政府機関のホームページを数十万円程度で作ろうって思うのはどうかと思う
長年自民党が政権与党だった時代は野党側からこういう突っ込みがあって、なんて表面的なところで話しが進むのだろう…と思ったことが何回かありましたが、与野党逆転で今度は自民党の側からこういう突っ込みが行われるようになっているのですね…
Yahoo!のトップにも昨日数時間掲載されていたのでご存知の方も多いかと思いますが、
自民党の茂木政調会長が環境省の外局として12年度に新設される原子力安全庁のホームページ(HP)作成費1億4000万円、法務省の衛星携帯電話購入費(1274台分)4億7600万円の2件。衛星携帯電話は平岡法相が、電池パック込みで1台34万6500円、通信1回線約5000円が過大な予算計上であると指摘
で、茂木氏が示した価格比較が凄くて、
- 「ホームページは数十万円程度で開設できる」
- 「携帯電話はスマートフォンの最新機種でも4万6000円」
などと主張して予算額が「高すぎる」と批判したんだそうです。
衆院予算委員会という場でどこまで細かい話ができるものはわたしは理解してませんけど、政府機関のホームページとしては「ホームページは数十万円程度で開設できる」ってそれちょっとしたキャンペーンサイトとか立ち上げるのとはレベルが違うのではないですか?と思う訳です。
「作成」という言葉の定義が明確ではない点で的外れな指摘になる可能性はあるのですけど、そのほかにも、衛星携帯電話ってそもそも携帯電話の基地局が利用できない時でも通話可能な事が導入理由であれば、比較対象としてスマートフォンをもってくる自体がナンセンスな話しではないかと、
予算が適正かどうかは別として、プロジェクトの規模によってマネジメントする人材の人件費が月額相当な金額に到達する案件はそれなりに存在しますし、この手の案件では入札資格にしたってランクが一番高いような設定ならそれなりの企業・事業規模が要求され、それらの企業規模で妥当とされる価格設定は安価なレベルとは言えず、そのほか調達するハードウエアの値段、データベースや検索アプライアンスなどのライセンス費用、そのサイトの個別要件において構築するシステムの内容などなど、ホームページの見た目としてhtmlを作成するとか、CMSにコンテンツ投入する以外のところでお金を掛けようと思えば億単位の構築費用を必要とするホームページが無いのか?といわれれば、そういう投資がされているホームページは有るよね、、、ってオルタナにご訪問いただいている読者の方々であれば、こういう説明をせずともご理解いただける方も多いかと思います。
こういう多くの国民の目に触れる場で、政府機関のホームページが数十万円程度で開設できるみたいな話しをされちゃうと、「ああ、そのくらいの値段で出来るのね」と思ってしまう方や、相場の設定としてこの「数十万円程度」が独り歩きされるのは勘弁してほしいなと思う訳で、
無料で開設できるホームページやブログ、無料のメールに、TwitterなりFacebookにしたって無料で利用できるんだし、なんでhtml作るのにそんなにお金払う必要があるの?という考え方が出てきてもそれはそれで致し方ないとは思うのですが、
今回のニュースで取り上げられた作成費1億4000万円が何をもって過大とするのか?という点はもう少し突っ込み方としては緻密な方策とれなかったのか…と、更に疑問なのは
ただ、党の賛成方針を踏まえて予算案の修正は求めず、「全額使わなければよい」と注文した。
全額使わなければって1円残っても残ったという話は出来るわけで、ここの議論の本質的な意味合いってなんなのだろう…って思ったりしつつ、世の中どんどん専門性が高まっているなかで、国会議員という人を通じて議論されることの難しさや限界を感じたニュースでした。