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日本の電子書籍ビジネスは離陸期に入れるか?

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今日から東京国際ブックフェアと国際電子出版EXPOが開催されるということで、この辺に携わる会社さんの動きが活発で、昨日はイースト(株)さんが縦書きやルビの日本語レイアウトに対応した"EPUB 3.0"対応の電子書籍リーダー「espur」の試作版を無償公開したりしていますね。

今日の日経にもこのタイミングを睨んでだと思いますが、「電子書籍、日本でも離陸期」という記事が載っていましたのでご覧になった方も多いのでは?と思います。

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この記事の中で大きなポイントは全新刊の電子化を決めた新潮社、講談社、学研ホールディングスの動きかと思いますが、残念なのは新潮社の場合は半年遅れで電子化ということで同時ではないんですよね、、、(これは電子化の製作期間の問題もゼロではないでしょうが、紙媒体の売上に配慮か、、と個人的には推測しています)

記事では電子書籍の国内統一規格はないということと、ここ最近おきたサービス連携のニュースに触れていますがここではオープン規格であるePubについての言及はありませんでした。

記事のほうはそのあと電子書籍市場の展望についてインプレスR&Dのデータを参照しながら、スマホ、タブレットなど電子書籍端末の利用比率の紹介をしていますが、

同じインプレスR&Dが出しているOnDeck6月9日号には米国の動向として、取次大手BAKER&TAYLOR社の調査結果として、北米で電子出版物を読む環境についてこんな数字が紹介されています。

PC 35%
Kindle 32%
iPhone 15%
SONY eReader 12%
netBook 10%
NOOKとiPad 9%

売上のジャンルについては大学機関が15%から27%、輸出が8%から37%に大幅に伸びると予想しています。

日本からのコンテンツ輸出の可能性について、以前こんなエントリを書いて多くの方からアクセスをいただきました。

世界を相手に電子書籍を売りたいなら知っておきたい3つのポイント:平凡でもフルーツでもなく、、、:ITmedia オルタナティブ・ブログ

前述の数字は米国からみた輸出ですけれど、このインターネット時代にやはり日本から海外に発信していく情報が売れない訳がないと自分としては考えており、eBookProとして最新事例である丸善出版さんと取り組んだ、英文学術書の電子化と海外向け販売への取り組みは少し早すぎかもしれませんが、この時期に取り組んでおく事の重要性は前述の数字を見ていただいても明らかかと思います。

『世界各国・年金管理制度の優先課題』を電子書籍化 | プレスリリース | eBookPro

現在eBookProで制作しているePubはApple用の端末向けにチューニングする事が多いですけれど、より多くの読者の方々に接していただくためにはePub形式で販売したコンテツンができるだけ意図したレイアウトを出きるだけ反映する形でPCでも購読、閲覧してもらえる形が理想的ではあるのですが、ePub3の仕様策定からこのタイミングでイースト(株)さんが"EPUB 3.0"対応の電子書籍リーダーをリリースしてきたというのは素晴らしい出来事かと思います。

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今後リリースされるePubリーダ、DRMに対応したモノも出てくiBooksを含めDRM対応製品についても、ここから半年くらいの間に多分非常に多くの会社、個人などから"EPUB 3.0"対応の電子書籍リーダーがリリースされると思われます。

ですので、日経の記事では独自フォーマットの事にしか触れていませんでしたが、半年もしくは1年後、日本の大手もやはりePub3に対応したコンテンツ供給を展開していく流れは確実に訪れると思います。

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