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文系学問をないがしろにする思考

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文部科学省が国立大学を対象に人文社会科学系や教員養成系学部の改組や廃止を求めている。少子化のなか、限られた財源を効果的に配分するという理由であるが、文系学問は学んでも役に立たないということを言いたいのだろうか。

確かに物を作るという観点では理系学部のほうが長けている。ただし、物を作る人材だけ育成すれば国が発展すると考えるのは、原始時代以前の発想であると考える。

日本は弥生時代ですら自分たちの生きるために必要な理系の学問である農業のほかに、文系の学問に属する祭事が行われている。祭事で腹が満たされることはない。しかし、祭事を行うことで不安の多い時代を生きるための社会的規律を作り、人々の心を満たすことが出来る。そして祭事は国家を運営する上で重要な役割を果たし、現在の政治につながっている。また、文系の学問は長い年月を経て法律、経済、文学、社会学、史学等の分野に分かれ、現在に至っている。

海外から評価される日本の文化や礼儀、規律は文系の学問が作り上げたものであるにも関わらず、国の施策としてそれを切り捨てようというというのである。

お金がないから腹を満たせ金儲けの出来る学問に注力しようという、腹が満たされれば心も満たされるであろう。そんな文化を軽視する考えは原始時代レベルの考え方ではないかと思ってしまいます。

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