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都議会のヤジから考える日本人の規律と罰則

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先週起こった都議会の女性議員に対するヤジについて、ネット上で話題になっています。

ヤジが飛んできたとされる場所に座っている党では、内部調査を行いましたが結果該当者無しとの回答。ヤジを飛ばされた議員は議会に対して申し立てをしたが、対象者不明の為、不受理。そのため、声紋調査をしてヤジを飛ばした議員を特定する動きまで。

ヤジを飛ばした議員が許されるわけではありませんが、声紋調査をしてまでして本人を特定してどうしようというのかが分かりません。

逃げ得にならないようにすることは重要かもしれませんが、それ以前に今回の事件が発生する環境にあることの方が問題かと思います。

日本は法治国家でありますから、法律でやっていけないことと罰則は定められています。法律で定められていない内容でも、道徳とか規範とか日本人の根底にあるもので、規律が保たれています。だから、震災など大災害が起こったときでも、日本人は秩序正しい行動をすることが出来る。そのような日本人が無意識で行っている行動は海外に誇るべきものであるといえます。

では、議会はどうなのでしょうか。別に発せられるヤジの内容が条例で決まっているわけではありませんし、今回発したヤジにより刑罰が下されるわけではないと思います。しかし、条例や刑罰が無くても、日本人の根底にある道徳や規範があるから日本人は何も無くても正しい行動が出来るはずだったのに、それが機能しなかったことに問題があると考えます。

今回の件は世間から批判されるようなヤジを発しない。そして、やってしまったことに対して、自ら申し出て謝罪をしない。だから、罰則を加えることで規律を保とうとすることになってしまった。

罰則がないからしないのではなく、罰則が無くても恥ずかしくない行動をしてはならないという当たり前のことが機能していないことの方が問題だと考えます。

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