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Windows 8から考える成功体験を覆すことの難しさ

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最近Windows8.1のベータ版を入れました。Windows 8.1になったら、スタートボタンが復活するというので期待して立ち上げ、ボタンを押したらスタートメニューが出るのではなく、Windows UIのスタート画面に戻るというもの。

ちょっとがっかり感を味わいつつ、なぜがっかりしたかを考えると、自分はWindows 7迄の操作に慣らされており、自分の思ったとおりに操作ができないからということに気づきました。

自分はWindows3.1及びWindows2000以降発売されたすべてのクライアントOSを買っている年季の入ったWindowsユーザーです。その間Windows3.1から95に変わったときのUIの変更はありましたが、Windows3.1に慣れていなかったので、変更の影響は少なかった。

しかし、Windows95から現在に至るまでほぼ18年近くWindowsを使っていると、WindowsのUIがしみこんでいて、感覚で利用することができる。それだけ、自分にとって昔のWindowsは使いやすいOSであったといえます。

では、WIndows8のUIはどうかというと、きっとWIndows8しか使っていない人にとっては、さして問題はないものだと思います。また、AndroidやiOSと比較してどうかというと、多分Windows8がすごく使いづらいということはないと思います。

しかし、Android/iOSはリリースしてからOSのUIが大幅に変わることがなく、「このOSのUIはこういうもの」ということで使うことができます。それには過去の期待はなく、現在の製品しか見ていません。

しかし、Windows8は「WindowsのUIはこういうものだった。しかし・・・」ということになます。それは使っている中で自然と過去のUIで培った期待が出てしまい、実際に大きな差がなくても、WIndowsのほうが使いづらいと思ってしまうのだと考えます。

Windowsがタブレットに移行するためには、現在のUIが必要であると思います。その意味では、現在のUIに変更したことは正しい選択肢であったと考えます。しかし、過去の成功体験が大きく、利用者の期待が大きいほど、新しい挑戦へのハードルは高くなるものだと感じてしまいました。

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