Facebook芸人偽美談から考える情報が拡散する要件
最近、Facebook上に志村けんさんの美談話がアップされ、13万人に「いいね」され、2万人が「シェア」されました。私も内容を読んで「いいね」を押した一人ですが、その美談が作り話であることが発覚。これまたネットを賑わせています。
内容はともかく、13万人に「いいね」をされて、2万人が「シェア」するといのは、それだけの人がその話を信じて、他の人にも広めようと思ったこと。この手の作り話は、被災者を語ったものや、難病の子供を救おう(もちろん本当のものもありますが)など、様々です。
メールベースで広まっていた頃は、どれだけシェアされたか測れませんでしたが、Facebookではボタンの押した数が分かるので、その具合がわかるようになり、これによりすごい勢いで拡散することが分かりました。
過去に拡散された作り話には下記の傾向が見られます。
- 拡散したことで自分に影響がない又は影響が少ない
- 美談や人を助けるなど人の心に引っかかる話
- 話の対象者が誰でも知っている、又は共感を得られやすい(有名芸能人・被災者・子供)
上記のパターンから考えると①の例だと「難病の子供を救おう」という話があっても、「拡散したら募金をしなければならない」又は「メールを受けた人が募金をしなければならない。」ということになったら、ここまで拡散することはないでしょう。それは、拡散することで自分がお金を支払う、又は他人にお金を払わせるということで自分に影響が出るから。
②の例だと、志村けんさんの日常の話題がFacebookに出ても、ここまで拡散されることはないでしょう。それは、シェアしてもこのネタをシェアすることに対する自分のメリットがないから。
③の例だと、作り話として「40近いおじさんの私が友達の支援をした」という話をFacebookに投稿しても、シェアされることはないでしょう。なぜなら、40近い自分を知っている人は余りいないですし、シェアをしてもシェアされた相手は誰のことかわからないから。
今回の美談が拡散したのも、ボタンひとつで「こんないい話があるから知ってもらおう」「自分はこんな素敵な話に共感しているんだよ」という思いからきているものだと考えます。仮に、同じ話でもシェアする為に同じ文面を紙に書いて配布なければならないということになったら、ここまで拡散することはないでしょう。
美談や人助けの話は、本当のことであれば多くの人にシェアしてもらうことは重要だと考えます。しかし、この手の作り話が混じる現状を見ると、ボタン押すだけで出来る行為でも、ボタンを押すことの重さを考えなければならないと思ってしまいました。