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IT管理における安心とは何か

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前回の投稿の続きとなります。

ITの管理における安心とはなんでしょうか。似た事例として考えられるのが、個人宅の防犯です。

一般の家庭では防犯の為、自宅に鍵をかけます。しかし、昭和の時代地域(特に農村地帯)によっては、鍵などかけずに出かけることがあったと聞いています。

しかし、最近では鍵だけでは安心できず、警備会社の契約もつけるケースもあります。また、警備会社のシールだけ付けたいのか、シールだけをオークションで売られているのを見たことがあります。(適法なのかは分かりませんが)

昭和の時代と現在との差は何でしょうか。時代は変われど、自宅に持つ貴重品などの資産の価値は大きく変わらないと思います(農村といえどお金を1円も持たないことはないと思いますので)。時代により変わったのは、周辺の環境です。

鍵をかけずに出かけていた時代は、回りも鍵をかけていなかったし、周りの人はみな知り合いのため、自分の家が鍵をかけなくても、回りもやっていないので大丈夫だと思えたのでしょう。

逆に、現在はニュースやネットなどで伝えられる事件を見聞きしています。そのため、自然と防犯の意識が高まり、対応をしておかないと自分も同じ目にあう危険性があると考えるのでしょう。

ITの管理も同じで、オフィスにPCが数台しかなくインターネットもなかった時代は、限られた人しかPCを使えなかったので、管理などしなくても所在の把握ができ、誰がどのように使っているかを把握することが出来ました。

しかし、今の時代一人一台PCが配布されどこにどのような機器が存在するか把握しづらい上、ネット経由で知らない人が侵入するリスクもあります。また、ネットやニュースで、ウイルスや不正侵入などのニュースを多く見聞きするようになりました。

では、そのような時代の中で、IT管理における安心とは何になるのでしょうか。それは、「何か拠り所が持てる」ということだと考えます。鍵をかけておけば、人に入られるリスクが少なくなる。防犯会社のサービスに入るのも、入っておけば安心であろうという気分が拠り所になる。

結局のところ防犯を強化しようと思えばいくらでもでき、際限がありません。ITも同じでセキュリティや管理を強化しようと思えば、いくらでもできます。逆に、大した対策をしなくても、何も問題が生じないケースもあるかもしれません。

IT資産管理やセキュリティのツールを導入したり、ISMSなどの各種の認証を取得しようとするのは、これをやっておけば大丈夫だろうという拠り所を得る為に行っている部分が多くあると考えます。

そのため、IT資産管理やセキュリティツールを販売する企業は、「自分が販売するツールやサービスを利用すれば安心です」という拠り所をどのように提供するかが、顧客に受け入れられる分かれ道になると考えます。

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