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秋葉原にみる組織の生き残り方

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昨今の経済環境の中、どんなに規模が大きい企業でも衰退・消滅してしまう可能性があります。その中で、どの企業も世界レベルで生き残り競争が繰り広げられています。

若干強引な例えかもしれませんが、秋葉原という限られた地域の中でも、同様の生き残り競争が繰り広げられています。今回は、秋葉原でみる企業の生き残り戦略を取り上げてみます。

現在秋葉原で勢力がある店舗(電機系のお店が対象で且つ私個人の独断ですが)は、下記4つの特徴をみることが出来ます。

①ヨドバシ型 ②ソフマップ型 ③ラオックス型 ④ガード下パーツ街型

【①ヨドバシ型】

言わずと知れた巨大家電量販店。規模と品ぞろえを武器に秋葉原の人の流れを根底から変え、秋葉原一の巨大店舗として集客を行う。

【②ソフマップ型】

私が勝手に言っている旧秋葉原御三家(ラオックス・T-ZONE・ソフマップ)の一つであったが一時衰退。その後、ビックカメラの援助のもと勢いを取り戻してきている。ヨドバシ型と似ているが、ビックカメラの子会社になっていること、ヨドバシのように全方位で品ぞろえせず、PCやアニメ・ゲーム等ユーザー等、ターゲットを絞って商売をしている。

【③ラオックス型】

こちらも旧秋葉原御三家の一つであったが一時衰退。中国企業の支援を受け復活。ソフマップ型と似ているが、外国人観光客という秋葉原の中でも競合が少ない層をターゲットに、資源を集中し展開している。

【④ガード下パーツ街型】

JR総武線のガード下に展開する電子パーツ街。店舗は数畳程度の小さい店舗であるが、ヨドバシでは対応できない専門パーツの品ぞろえと知識を武器に商売を展開。ある意味、昔ながらの秋葉原。末広町の界隈に広がるPCのパーツ街もこれに該当する。

個人的な見解ですが、秋葉原という市場の中で生き残るのに最適な形態は、④ガード下パーツ街型だと考えます。

もちろん、①のヨドバシ型は強い形態とはいえますが、規模とブランド力が求められる為、だれでもなれるわけではありません。また、郊外型のヤマダ電機との競合があり、且つヤマダ電機も秋葉原の駅前に店を構えているので、必ずしも無風状態とはいえない。

しかし、④ガード下バーツ街型はどんな大型店舗でも対応できないニッチなニーズに応えてくれます。そのため、必要だと思う人は家の前にヨドバシがあってもガード下のパーツ街に行ってしまう。私も、パーツで困ったことがあったらガード下をチェックして、それでもなかったら諦めるようにしています。

では、①~④のどのカテゴリにも当てはまらない店舗はどうかというと、全てではありませんがここ十数年のスパンでみると大半は衰退するか消えてきています。

生存競争なので、どのような生き残り方をするかはその組織それぞれの判断です。しかし、自己の生存方法が定義されていない組織は淘汰されてしまうのは、秋葉原でも社会でも同じではないでしょうか。

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