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最近のIT資産管理ツールの進化と課題

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先週開催された情報セキュリティEXPOに行き、さまざまなIT資産管理ツールを見てきました。私は本業の関係で、ソフトウェア資産管理の観点からIT資産管理ツールの機能や使い勝手を確認していましたが、最近の資産管理ツールは進化していると感じました。

数年前のツールはソフトウェア資産管理対応と謳っていても、ダウングレードやアップグレードの対応はできていないし、ライセンス過不足数の算出もExcelの引き算程度のものしかできていませんでした。それでも、ソフトウェア管理対応と堂々と謳われており、どこが対応しているか?疑問に思えるようなものがほとんどでした。

EXPOで見た最新の資産管理ツールは、アップグレード・ダウングレードの対応ができ、管理対象ソフトウェアを選定するためのソフトウェア辞書を搭載しているものもありました。ツールによっては監査会社に提供できるデータを作成できますというものまでありました。(それで監査が通るかは別にして)そういう意味では、IT資産管理ツールは進化して来ていると感じました。

しかし、それでも課題は残ります。それは、それら機能を使いこなすこと。ダウングレード・アップグレード・ソフトウェア辞書の搭載はされていても、それを使えるようにするためには、管理者が自分で設定やデータの構築を行わなければなりません。

IT資産管理ツールはあくまで汎用のソフトウェアです。使う組織が決まっていて、その組織向けに初期設定や、データ構築ができるものではありません。また、IT資産管理ツールはMS Officeのように共通のメニューや機能が提供されればよいものではなく、その組織にあった機能・データを整え、自分で活用方法を考えなければなりません。

汎用がゆえに価格も安くできるというメリットはあります。しかし、汎用がゆえに越えられない壁がまだまだあることを改めて感じたEXPOでした。

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