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atreを受け入れる秋葉原の奥深さ

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少し前ですが、昨年の11月秋葉原にatreがオープンしました。長年秋葉原を見て、通い、仕事をしてきた自分にとって、atreのオープンは革命的な出来事です。

秋葉原の主要ユーザー層というと、アキバ系に代表される男性・趣味人。他方atreはOLを代表とする若い女性客が対象のお店。

確かに、ここ数年駅周辺にはUDXなどオフィスビルが多く立ち並んできています。そのため、ターゲット層である若い女性の利用は見込めます。しかし、カオス塊のようなガード下のパーツ街の横に立つatreは、昔から秋葉原に通っているユーザーにとっては少し違和感が残ります。いってみれば、渋谷109の横に電子パーツの秋月電子通商がお店を開くようなもの(秋葉原の店を知らないとわからないたとえですが)。

atreがオープンする前にも、秋葉原デパートという商業施設がありました。しかしこのデパートは、パーツ街のカオスを吸収すべく、趣味人をターゲットにした店舗が多く存在するデパートでした。いわば、ガード下のパーツ街が持つ混沌とした空気を少し吸い込んだようなショップが並ぶデパートです。atreは混沌とした空気を吸い込まないフレッシュなデパート。ある意味、極端な店舗が同居できるのが秋葉原の奥深さなのでしょう。

以前のブログにも書きましたが、秋葉原は異物を受け入れ、変化することで生き延びてきた街だと思っています。そこには常に驚きがある。秋葉原の街の中にマックができただけでも、自分には新鮮な驚きを与えてくれました(マックができるまで秋葉原で食事処といったら、かんだ食堂か秋葉原デパートの1Fぐらいだったので)。

はじめてくる人だけでなく、何度も通い詰めている人にも新鮮な驚きを与えてくれる。これが、秋葉原が持つ奥深さであると感じています。

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