イケアを思う
この5月の連休の大賑わいの場所のひとつに、JR京葉線の南船橋駅前のスェーデンに本拠をおく世界最大の家具小売チェーン「イケア」がある。情報バラエティ番組でも頻繁にとりあげられ、連日2万人のを超す客が殺到したようだ。我家は京葉線沿線にあり、その渋滞で迷惑をこうむったクチだ。
この盛り上がりは、海浜幕張にカルフール1号店がオープンした時と同じ様相である。幕張スーパー戦争と言われた時期だ。当時も連日大勢の客が押し寄せ、近辺はディズニーランド状態になった。
ただのディスカウントスーパーにもかかわらず、フランスからの進出というどことなくお洒落な響きにひかれて、熱しやすく冷めやすい若手消費者の1度は詣でしなければいけない必須スポットとなった。しかし、本来の常連客にしなければいけない主婦層の目は厳しく、スーパーのわりには商品点数の少なさとそんなに安くないことに気づき近隣のイトーヨーカドーやジャスコ等に戻ったのだ。今はイオンの傘下になっている。
イケアとカルフールが同じ状況とはいえないようだが、一時のブームが一段落したときの施策が重要だろう。我家のコンサバティブなカミサンはカルフールがオープンした時と同様に、冷めた目で見ており、行きたいと言い出さない。
京葉線沿線には競合する家具小売大型店がいくつかある。新築マンションがどんどん建設されて、若手世帯が増え、こうした安くてお洒落な、しかしセルフ組み立て型も家具の需要が多いからだそうだ。
オープン時の成功を分析する雑誌やテレビ番組はよく見かけるが、そんな成功要因が将来の繁栄まで保証はしないことはカルフール同様外資小売の進出時を考慮すると一目瞭然だ。
グローバルカンパニー戦略のイケアが勝利するのか、スーパーと同様に日本企業が勝利するのか、ここ数年の見ものだ。興味半分でウォッチしてみたい。