地域に根差した街の電気屋さんを思う
ネット社会が浸透して店舗型の小売は無くなるのか? 家電の量販店はどうなるのか? 家電の地域に根ざした街の電気屋さんはどうなるのか? とか議論をよくしています。
家電の世界でいうと、
1)量販店の巨大化、統合化により地域の小さなショップは淘汰される。
2)量販店もただの展示会場的位置づけになり実際の購入はネット経由になる。
といった、ネット進化論もあれば、
3)シニア人口が増えるにつれ再度地域に根ざしたサービス本位の街の電気屋さんが見直される。
4)量販店も薄利多売でハードを売ることに加えて、アフターサービスもビジネスとしてメニュー
化して決め細やかなニーズに対応していき、ネットや小さな電気屋さんに対しての優位性を発揮する。
といったリアル店舗進化論もあります。
1)、2)は自分のほしいものを極力安く、早く、トランザクションコストをかけないで購入できるモデルが生き残るといった素直な経済原則に基づいた論議であり、3)、4)はこれからはハード購入より購入前や後のサービス面の価値が生き残るモデルを決定するという議論です。
以前大手家電メーカーの方が、家電製品は普及率が10%を超えるまでは街の電気屋さんでの販売が多いが10%を超え、コモディティ化、低価格化が進むと量販が圧倒的に多くなるとおっしゃってました。
ネットとリアルを融合、シナジーを出し、価格面でもサービス面でも優位性をもった巨大流通小売業が生き残るモデルと、顧客のニッチなニーズに徹底的にこだわった付加価値の高い小規模なモデルといった2局化が進んでいくのではないかと思います。
もしコンサルティングのお手伝いをするなら、大規模量販店が独り勝ちしたり、すべてがネット化したりする戦略や仕組みづくりをお手伝いするより、街の電気屋さんがしっかりと価値を出して生き残るための支援をしたい、と思います。