チームセリング
SFAツールが登場した頃に、「チームセリング」という言葉がよく使われた。ITツールで情報共有しながら営業個人の能力だけに頼らず、組織全体の智恵を活用しながら営業活動を進めていく、といった発想だ。またプロセス管理という概念も導入し、商談を複数のステップに分けて現在の商談がどのステップにいるかをしっかり管理することにより、見込管理と対策立案を容易にしようというものだ。
しかしながら、日本ではなかなかこのSFAは馴染んでいない。営業支援ツールといいながら、実は営業管理の側面が多くなり、営業マンにとって使うことのメリットよりも入力負荷の方が大きくなってしまって、入力情報と実際の現場の状況との乖離が生じてしまったことが原因である。実は「チームセリング」は実現できなかったということだ。
我社は2年ほど前から営業部門の改革を行い、目新しいツールは導入していないものの、営業プロセスの分業化とテレマーケティングの導入によるセンター集中化を推進した。(参考書籍:営業変革「仕組みをかえるとこんなに売れる」)
様々な試行錯誤を繰り返し、現在驚くべき状況に直面している。今まで様々なテレマーケティングのチーミングをしてきたが、そのどのチームよりも生産性が高いチームが登場した。それは新入社員を中心としたチームだ。つまりビジネス経験、ましてや営業経験、顧客との会話テクニック、商品知識がもっとも低いと想定されるチームがもっとも高い生産性を達成しているという事実だ。
現在その要因分析をしているが、その大きな要因のひとつが「チームセリング」が達成できているという点だ。まさしくチームで情報に限らず智恵を共有し、スピーディに課題を解決しながら個人+チームで営業活動を実施できている。もちろん特別なSFAツールを導入している訳でもない。
しかも仮説レベルではあるが、新人Teamだからこそ対お客様に対しての良好なコミュニケーション、新人Teamだからこそ社内的にも生産性が向上する仕事の進め方が可能となっている。
営業対象の商品特性やマーケット特性によるところも大きいが、成功事例として横展開を今後図っていく。