アサーショントレーニング
前回の流れから今回は「認知行動療法」に関することを少しご紹介します。
認知行動療法の中のひとつに、"アサーショントレーニング"と言うものがあります。
"アサーション(assertion)"とは、「主張」とか「断言」と言う意味ですが、認知行動療法の中では、「自分の意思を相手に如何に円滑に伝えるか?」と言う意味合いで使います。
"アサーショントレーニング"とは、「自分の意見を、相手に受け入れ易く円滑に伝えるかこと」を練習する事です。
人間のストレス要因として一番大きなもののひとつに、"対人関係"がありますが、この対人関係を円滑に行うためにはやはり、コミニュケーションスキルが必要になってきます。
コミニュケーションのタイプには大きく分けると以下の3パタンあります。
①アグレッシブ(攻撃型)
→自己中心的で相手のことは考慮しない。自分の意見を押し付ける。
②ノン・アサーティブ(非主張型)
→自己主張しない。自分の意見を押し殺して相手に合わせる。
③アサーティブ(攻撃型と非主張型の中間)
→自分の意見も伝えるが、相手のことも考えて相手が受け入れ易い提案型のアプローチを行う。
③が一番円滑なコミニュケーションが取れそうなことは一目瞭然と思います。しかしコミニュケーションが苦手な人と言うのは沢山います。相手の事を全く考えず自己主張ばかりの①のタイプは敵が増えてしまい孤立することになりがちです。
②のタイプは自分の気持ちを抑えて、無理に相手に合わせたり黙って相手の意見を受け入れたりで、自分自身に負荷をかけ、ストレスを溜め込みがちになります。そしてその我慢の限界値を超えてしまうと、"うつ病"などの精神疾患が待っています。
ではどうすれば、アサーティブなコミニュケーションを取れるようになるか?
ズバリ、「自分が相手の立場だったらどう思うか?」「自分が相手の立場だったらどうして欲しいか」の様に、相手の気持ちになって考え、お互いが"Win-Win"な関係になる様にお互いの妥協点を提案すると言うことです。
スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」にも入っている"Win-Win"の考え方です。
自分だけの意見をゴリ押ししても、相手は簡単に受け入れがたいですが、自分の主張を通すために、相手の立場で考えてどの様な妥協点や提案をできるか?と言う視点でのコミニュケーションをとれると、お互いに嫌な気持ちにもならずに良い関係性が築けるようになります。
ただ、この内容を実際に実践するのは、練習が必要です。日々の生活の中で継続的に"アサーション"を意識して相手の立場で一旦考えると言う習慣をつけていくことが重要ですね。