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「業務プロセスの威力」2題

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暫くBlogへの投稿お休みだった。忙しさにかまけているうちに今日はもう3月5日、春の暖かさも有り難く、自然の廻りに感謝である。

この1月、2月は、このBlogの掲載元、@ITの新コーナ「アジャイル・エンタープライズ」用に「BPMとBPMSの常識」と銘打った原稿を作成していた。前半は既に掲載済みで、後半は2週間後であろう。内容は本Blogの内容とも一部重複するだろうが①企業活動はすべて業務プロセス ②BPMとBPMS ③BPMSが実現するPDCA ④BPMSの位置と機能等々である。ご興味ある方はご覧いただきたい。

ところで、今日は「業務プロセスの威力」と題し、現実のユーザでのお話は2題紹介する。

<その1:可視化された業務プロセスの威力> 日本の電子部品メーカ、一部上場企業で、10を越す国内事業所と20に近い海外法人・事業所を有す国際企業である。海外に点在する事業所・工場と東京本社が、各事業所に点在するそれぞれのERP基幹システムをBPMSが結び、生産管理の熟練管理者と一体となって、納期回答プロセスを実現した。その結果、回答時間は1/6に、顧客要求の実現である。

その過程で、従来からの一番の頭痛の種、海外事業所の現地人がシステム仕様を理解する事が、モデラにより可視化された業務プロセスで非常に容易にできたという事である。言語・文化の違いにも、図示化された業務プロセスの威力は絶大であったようである。

<その2:標準業務プロセスの威力> 米国本社の日本支社での話。どこの会社も本社上層部の決めた仕事の進め方(標準業務プロセス)に各事業所は準拠するもの、しかし実際は、色々な理由でそれが実現維持できていない事が多い。それが今までだった。

ところがこの企業の場合、本社がBPMSで標準業務プロセスを確立し大きな成果を収めた。そこで本社CIOから日本支社CIOへ、日本の従来からのシステムを完全に廃棄し、即刻米国の標準業務プロセスを使う様にとの指示である。従来のシステムでは技術的にも即刻変更は難しかったが、WebベースのBPMSではそれらの障害はないのである。米国本社のCIOからすれば、自分の熟知した標準業務プロセスで世界中の支社が業務を遂行する。決して悪い事ではない、また、昨今のSOX法等のCSRの観点からもそれは趨勢でもある。アジャイル・エンタープライズが求められ、業務プロセスを真正面から議論していかなければならない時代である、業務プロセスの優劣が企業の活動を決める時代である。

その業務プロセスを扱うBPMは色々な議論・試行錯誤・専門家を必要として大きく成長していくだろう。

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