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IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

今、モニタリング強化して欲しいと個人的に願うこと・・・

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ちょっと前に枝野さんが「~については今後『モニタリング』して~」ってTVでよく表現してました。モニタリングはかなり柔らかい言葉で、「相手に一定の気を遣いつつも、問題ないか観察し分析し評価するみたいなこと」なんだよって、私の場合は先輩に教わり基本それを信じています。それが完璧に正しいか別にして、しかし政治家って「モニタリング」とか「事象」とか、きっちりやるのか厳しくやるのかようわからん言葉遣いを上手に(苦笑)使うよなあとも感じていました・・・

そのときにもふと思いついてたことなのですが、

彼が言ってるモニタリングもまさにTOP PRIORITYだけれど、私達の業界にもモニタリングに関する重要課題が最近1つあります。

その最近のトレンドは、私の周辺では「ITガバナンス」かと思っています。

本来の定義からすれば本当は異なるものだろうけれど、クライアントによってはそれを「ベンダーマネジメント」とか「EA」「共通基盤」「IT投資・経費管理」等という重要テーマに表現を読み替えておっしゃることもあります。

いずれにしてもITの取組みや組織運営に関する「統制」をどう利かせるかということです。各クライアントがおかれている環境下だったり過去の組織的経緯だったり等、背景は様々なので表現の仕方はどうあれ、とにかく1つ共通で気にすべきことは各取組みにおいて、きちんと実施手順や管理方針、評価指標が定義されて、そのとおりに行われているか、順調じゃないときにはどうするのか、評価・判断は主観的だけでなく客観的にもチェックが入っているか、等々、いろいろやるべきこと、診るべきことがあるということかなと考えます。で、現時点私が接する多くのクライアントではそれが結構できてなくて、いろいろお悩みです。

私達もベンダーの1社であり、私もその1社の一員です。外部業者・協力者である以上、受託する業務には一定の専門性を持ち合わせていると共に、その業務遂行の手順や管理・評価指標については客観的にみておかしくないものでなければなりません。クライアントルールにあわないものでもこの1点を曇らせるものと思えば、クライアントにルールの方を変えてもらえるように協議をします。協議結果で納得すればこちらの方針を変更することはありますが、客観性を損なうことは我々のサービス意義を激減させるものなので、そうなってしまうと取引は成立しないことになってしまいます(泣)。

その企業・組織における多数の取組みを対象に「統制」が正しくとれているかを検査したり、評価することの第3者的支援を積極的に行うこともあります。私達はモニタリングのやり方について提案や助言をしたりしますが、モニタリングを行うことだけを目的=存在意義にしてしまうと、そのVALUEが報酬につりあわなくなることもあります。やり方が十分でないのにモニタリングをやっても付加価値が産めません。また付加価値を産むには実践経験も大事だったりするので、時々「サービス姿勢がフレキシブルすぎる」とお叱りをうけるときもありますが(苦笑)、局面的に重要で支援が必要なことならば実務にもできるだけ従事するようにしています。もっとも第3者評価のポジションを損ねるようなことはしませんけれど(実務に入りすぎると第3者でなくなる・・・)。

私達にとっての受託する仕事範囲や順序にもよりますが、モニタリングの対象や基本方針を確認してみると、確かにそのクライアントにとっての重要課題は結局のところ「ベンダーマネジメント」とか「EA」「共通基盤」「IT投資・経費管理」になることがあります。なので、私にとってサービスカテゴリはITガバナンスだけど提供するコンサルティングサービスの対象がそれらのどれかになることもあります。

震災によってBCPDRの投資・経費配分および実装方針について相談も多くなりましたし、ご訪問や協議の前に、既にクライアントが基本方針の変更案をおおむね決定していて、それについて助言や第3者評価をお求めになることもありますが、以前20mの防波堤の例をいたしましたのと同様に、備えあればとはいっても過剰に投資することが本当にそのクライアントにとってHAPPYなのか、またロケーション1つとっても、これだけ広範囲に被災するような状況に遭遇して、どの地域が本当に安全なのか、ただ1つの正解があるとそれを追い求めることは困難です。こうして書くといいわけっぽい気もしなくもないですが、私のような第3者もできれば交えて、クライアント企業の中で関係者が十分に議論を出しつくして、そして納得した方針を定めることが重要で、そのやりかたや実施の様を私達にモニタリングさせていただきたいと思うのと、プラス、そのクライアント企業がモニタリングすべきこと、やりかたの定義も十分に練り上げていただき、私達が不要になった後工程では、クライアント企業が自らのために自らの手(人材)でモニタリングをしていただきたいです。ガバナンスは他者に全面委託するものではないので。

最後になりますが、個人的に、原発問題をヒントにちょっと考えさせられたのは、「人材のクラウド化」といいますか、特定の少数専門家の存在に依存する運営に(特にDRBCPは)なりがちな志向をどのようにコントロールし解消するか、私達のようなフィー・ビジネスに生きる第3者がどのように訴えていけばよいかに悩みます。背中をみせて後進を育成できる人、育成に実際取り組んでいる人のなんと少ないことか。自戒も含め、まだまだ私達は精進が足りない、と最近の営業活動の傍ら痛感しているところです・・・

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