付加価値とはいつ頃から出せるものなのか
コンサルタントの購買動機について話したことがあるかと思うが、購買動機は基本的に定量効果で成立するものだと思っている。
定量効果というからには、
明確な売上や利益増加に寄与したとか、
コスト削減効果に寄与したとか、
生産性が向上したとか、
CS(顧客満足度)、ES(従業員満足度)が改善したとか、
工期や納期を短縮したとか、
そういうものが数値で実証できることが重要だ。
つまり、そういう証明ができないのなら、そもそもコンサルタントはそのクライアント先に登場してはいけない。
証明はいきなり最初から出せなくてももちろん仕方ないわけだが、最初から無理なんじゃないかと思わせる案件化はおかしいということだ。
そして、コンサルタントの営業的に大事な別の観点。
定量的に効果が費用(コンサルタントの報酬+購買・登用に関連して発生する経費)を大きく上回ることも変な話だ(笑)。
バッチリ釣り合うのもそれはそれでおかしいが、「3億円のキャッシュフロー向上のために3000万円ください」で始めた仕事が最終的に10億円の向上に寄与したのだとしたら、「なんだよ、じゃあそもそも3000万以上もらうべきだったんじゃないか!」って話もあるわけです(苦笑)。もちろん反対の視点では「なんと想定外に効果が出ちゃって!!本当にありがとうございました」って気持ちもあるわけですから、この件はこの件でお互いに「本当に良かったですね♪」で終わればいいだけのこと。
私の理想は、クライアントが十分に満足するだけの定量的効果=提案時の期待効果をある程度確実に上回ることは大前提に、どれだけ多くの定性的効果をできるだけ早くにもたらすことができるか、に着目したいのです。
その仕事をしている、その現場に存在する、という意義は定量効果によって担保されているわけで、しかし我々が本来執着すべき「付加価値」は、定性効果なのである。
そして、付加価値は定性効果の一部であり、つまり一定の定性効果は必然なのである。従って、たくさんの定性効果を、できるだけ早くに創出できなければ、付加価値は生み出せないのだ。
そして、それが提供できないのではコンサルタント失格だ。
・・・とは、言ったものの。
最近は、実に悩ましい(苦笑)。
ちゃんと付加価値、十分に出せているのだろうか。
最初からクライアントが付加価値を早期創出を強く願っている場合の調整も難しいし、しかるべき経過ののちに付加価値が十分に創出できてない場合にうまくリカバリできるかも難しいし。
最後の最後に付加価値が創出されたのでは大抵は満足を得られないだろう。だからといってどのくらいから創出できるかはケースバイケース。
ううっ、実に悩ましい。。。(汗)