もう消費者金融業はダメなんじゃないかと思ってしまう・・・が、本当にそれでいいのか?!
アイフルの経営再建・私的整理のNEWSをみていると、もう消費者金融業はダメなんじゃないかと思ってしまいます。
お恥ずかしい話だが、昔、いろんな経緯があり、一時期多重債務者になりました。
本論の前に、ついでに(笑)多重債務の仕組みというか、恐ろしさを簡単に解説すると、
A、B、C、と3社から多重債務を負う。以降、最低元本と金利を支払いつつ、返済後にまたできるだけ借りては他社債務を同様にそれぞれへ返済していく。
しかし、実態は返しているのは少額の元本、高額の利息。ついに自転車操業ができなくなり、支払が滞る。ついにCへ返済ができなくなり、延滞(デフォルトといいます)発生。Cからは借入不能に。
ところが、このCの「不能」情報がA、Bへ連携して、大体にしてこの瞬間、AもBも借入不能になるのです!(ちなみにいきなり1回目の延滞でこうなるとは限りませんが)
いっぺんに借入先のすべてを失います。基本的にもう終わりですね、こうなったら。あとは街金、闇金の世界へまっしぐらです(怖っ)。
ところで実際には、消費者金融業界といっても、昔はたとえば武富士と、プロミス、アコム他の会社では与信管理DBサービスが異なっていて、なのでアコムで不能が起きても武富士では借りれることもあったようですし、同じDBユーザでもアイフルだけOKだったりもするんです。
これは、アイフルは、当時個人向け無担保融資だけやっていた他の大手とは異なり、不動産等担保融資にも力を入れていたからじゃないか、と推察しています。異なるサービスから収益を得ていたわけです。しかも不動産担保の場合、全額回収不能にはなりませんしね。その辺、各社で取引OKのサジ加減を調整していたわけです。そんな工夫を先進的にやっていたのにこんなNEWSになるとは・・・
他社でもこういうマルチモデルは存在していましたが、いずれにしても金利制限法が厳しく変遷するに従い、1に個人向け無担保融資の収益確保が難しくなっていったのは紛れもない事実でしょう。グレー金利についての議論は確かに微妙ですが、借主もなんだかんだ承諾して借りてるんだから、まずは貸主に感謝だろう?って気もしますけどね。金利取りすぎだろって文句言える人は少なくとも完済した人な気が個人的にはしますね。強引な取り立てとか過剰融資とか問題はありますが、昔丸井に努めていた人がキャッシングで滞納した人への取り立てを若い社員時代にやらされたそうですが、「消費者金融の取り立てと何ら変わんないよ」っていってました。
分割返済であればクレジットカード会社からでも百貨店系でも消費者金融でもどこから借りても「リボルビング・ローン」であることには違いないんです。融資評価基準やリスク管理のやり方は。基本は一緒、あとは各社の判断で個別調整なのです。しかし運用条件が厳しくなっていくと、その個別采配の範囲は狭まっていく。
最近は確かにクレジットカード会社や百貨店系カード、さらには銀行までが50万をはるかに超える無担保個人融資に進出しています。昔は「他業態からは借りられないから」消費者金融から借りていたものが、そうでもなくなってきている。そうやって消費者金融業界が追い込まれていますが、一番の問題は、未だたくさんの債務者が存在するということで。
企業が淘汰されるたびに、一番追い込まれるのは債務者です。これは中小企業融資も同じこと。突然繰り上げ返済、一括返済を迫られても困るよなあ。
仮に消費者金融業界が淘汰されてしまっても、残る他業態がそれに頼りたい消費者=借主に十分応えていくならいいですけど、例えば金利は相対的に安くなるけど審査基準が厳しくなるから「結局貸せません」だと、消費者ニーズに応えてるとは言い難いという気もしますからねえ。今日のNEWSにはいろんな心配事を考えさせられるのでした。正直個人的には当時、アイフルさんにはお世話になりましたですヨ。なんか再建支援でお手伝いしたいです。
で、一番の本質的な問題は、「そんな辛い思い覚悟してまで借金すんなヨ」なんですけどね(笑)。私も過去については大いに反省しております・・・