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「この提案、獲りたい!」営業活動の基本10.「既存案件の場合『拡張』の前に『継続』させること」

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先日のエントリで紹介した通り、営業活動の基本知識について、キーワード別にその内容についてより詳細に解説をしています。

「既存案件の場合『拡張』の前に『継続』させること」

     「既存案件」の場合についての話です。契約期間満了が近づいたので次期の営業をしたい。ここで重要なのは、「拡張」の前に「継続」させることです。

     お客様もいろんな状況下で、「延長」と同時に「拡張」を打診される場合はあります。引受側としては、ここでまず「延長=継続」について発注をしていただくことを最初に進めます。「拡張」はその当事者を超えて決裁やらなんやらで追加手続きが増えることが多く、決裁者の虫の居所が悪いと、継続機会自体が否定されかねません。まず継続を早々に決める方がよいです。継続も果たせなくなったら、一番困るのはお客様です。

     もちろん「拡張」が重要な要件の場合もありますね。この場合は継続を早々に進めていき、「現契約満了期間付近では拡張の可能性もあり、今後慎重な検討が必要」とでも含ませておいた方がよい。不肖の経験では、一緒に進めてしまった結果、「そんなにかかるの!」と、別案件の稟議で機嫌が悪かったらしく内示取り消しという不遇に会ったこともあります。2つに分けておけばよかったものを・・・これはセコい話ではなくて、取引の基本、な気がするのです。絶対の保証はさすがにありませんが、ご留意あれ。。。

     継続で1つ注意点があり、現行メンバーの継続なのかチェンジ可能なのかどうか、についてはこういう機会を活用して慎重に議論をしておきましょう。ついつい営業に注力して、現場の疲弊度合いをよく観察せずにこの議論なしに延長してしまった結果、大事な仲間に離職されてしまったことは本当に痛いです。もう猛省です。お客様だって大事な人間にいてほしいからいなくなってもらうくらいならポジションチェンジとか期間限定で継続とか、いろいろオプションは聞いてくれるはずです(もちろん交渉の限界はあります)。大抵の場合、決裁の立場にいる人は、稟議手続きではそこまで条件チェックはしません。ですからこれは現場の不満につながるリスクの話です。現場が不満もったら稟議もへったくれもありません(またまた汚い言葉言葉遣いで・・・<(_ _)>)。

     最後に、これは社内プロセスの話ですが、大抵は「新規」より「継続」優先で要員配置を決めることが多いと聞きます。で、よくメンタリングといいますが、いくらかの期間「継続」している要員に、「継続が果たせない場合にこんな新規があるから・・・」とその天秤状況を話したりすることもあるかと思いますが、これについては「相手に選択肢を与えた」というリスクをきちんと認識することが必要です。営業する側はどっちが発注するか「早い者勝ち」と割り切れるかもしれませんが、要員される側はそうではありません。小生の経験上、所詮「フルタイム」アサインと「パートタイム」アサインではその選択肢の重みが違うのです。これは不肖も常に反省と改良模索の毎日です・・・

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