会社を立ち上げるということ
イシンは、今年の12月で丸7年になります。何年経っても一段落など存在せず、毎日前を向いて走り続けるだけです。そして、イシンの場合には「Do for Others」、つまり「人に役立っているか」という基準が、仕事をするうえでの指針になっているだけ。あまり、たいしたことはないわけです。
最近は、東芝の「不適切な会計(?)」が取り沙汰されていますが、あのような期間限定の雇われ社長ではなく、僕たちの場合はオーナー社長として取り組む必要があります。それは、イシンのように僕が100%株主の場合もあれば、外部から資本を調達している場合もありますが、いずれの場合も責任の重さはどっしりとしたものがあるはず。
2010年に、シーマンで有名な斉藤由多加さんが、日経ビジネスオンラインに連載を書いておられました。その第一回には、社長業についてこんなことを書かれています。
そもそも中小のゲーム会社の社長なんてのは、コンビニ弁当を主食とし、会社のソファをねぐらにすることを運命づけられた職種である。さらに言えば、育ったと思った人材はとっとと辞めていってしまう業界なもんだから、社員に給料を払いながら社会適応の授業をしているような割の悪さがある。
これは、必ずしもゲーム会社に限ったことではありませんね。コンビニ弁当を食べるか、会社に泊まりこむか、というのは様々でしょうが、創業期の経営者ってこんな感じだなあ、と納得してしまいました。
最近少し感じるのは、「甘いな」という創業時の会社を見かけることです。ワーク・ライフ・バランスという言葉を勘違いしているのか、きっちり公私を分けたがる人って多いように感じます。この時間からはプライベート、と。社員ならいいのですが、自腹を切って会社を立ち上げている経営者としては、甘っちょろいんじゃないかな、と思います。週末は仕事を忘れて彼女とデート、とか、ちゃんちゃらおかしい。
また、社内のいろいろな(些細な)ことに口を出したがるのもいただけません。コピー機はどれにする、固定電話はこのメーカーがいい、入り口はこんなふうにしよう。理想はあるのだと思いますが、それをやりだすと社員には何の権限もなく、結果的に考えない社員だけが残ってしまう。考える社員はイヤになりますからね。それで「社員が育たない」などと愚痴ったとしたら、「どの口が言うとんねん」とツネッてあげてもいいと思います。(笑)
ここのサイトには「起業後1年以内に廃業する会社は30%とも40%ともいわれ、3年以内で70%、10年以内に廃業する割合は93%」と書かれています。ことの真偽は分かりませんが、個人事業主とか、一人会社社長とかも含めると、感覚値としてはしっくりくるところです。つまり、起業家が10人いても、10年後には一人も残っていない、という可能性があるということですね。日本では、失敗は悪とする風潮があるため、なかなかキツイところです。
目の前のことに真剣に取り組み、必死で売上を作り出し、社員と本気で向き合い、結果に責任を持つ。こう考えると、会社なんて立ち上げるもんじゃない、と思う人もいるかも知れません。でも、立ち上げてしまった人は、逃げるわけにはいかない。なんとか、自分で自分のモチベーションをあげて取り組むしかないわけです。
会社を立ち上げる。立ち上げるのは簡単ですが、持続させるのは本当に大変です。