オルタナティブ・ブログ > 「走れ!プロジェクトマネージャー!」 >

スマートデバイス導入プロ集団のイシン社長です。仕事に関係ない話題も多いです。

【転職の作法】解決を目指すのか、単なる愚痴なのか

»

年度末を迎えている日本企業は多いことと思います。弊社もご多分にもれず、3月末決算ですので、いろいろと忙しくなってきているところ。ありがたいことです。

この時期は決算と同時に、人事異動も多い時期ですね。最近は、新年度と同時に異動するよりも、少し前に異動しはじめるケースが増えていると伺います。そして、転職をする人も増える時期ではありますね。特にIT業界は、プロジェクトが一段落したので、という理由もあるのかも知れませんね。まあ、ボーナスもらったら即、なんて人もいるようですが。(笑)
 
僕は前々から言っているのですが、転職には、転職の理由以外に「退職の理由」というものが存在します。「どうしてここに転職したいのか」という以前に、「どうしてそこを辞めたいのか」ということですね。これを整理しないまま辞めてしまい、次の会社も同じ理由ですぐに辞めてしまい、人材紹介会社だけを喜ばせている人は少なくありません。
 
退職の理由は、ものすごく大雑把に分けてしまうと、
1.お金
2.仕事(業務内容とか)
3.人間関係
であるように感じます。僕もそうでしたね。
 
自分が転職する場合、どれが理由で退職したのか、次はそれをどうやって対処あるいは回避するのか、を理解しておくことは、とても大事なことだと考えています。特に人間関係。イヤな人は、どこに行ってもいる可能性がありますしね。
 
退職以前に、それをぼんやり考え始める時期があるものです。あるとき一気に思い立って行動する、という人はごく稀にいるかも知れませんが、少ないでしょう。そのぼんやり考え始めたときに、多くの人は「不満」を口にするようになります。このときに、その「不満」が「愚痴」になってしまう人と、「解決」への糸口を模索し始める人に分かれていきます。ここが、ビジネスパーソンとしての大きな分かれ目であるように思います。
 
20130315_71316 解決しようとチャレンジしてみて、それでダメな場合もあるでしょう。そうなると、退職、転職という道が一番いいように思え始める。でも、多くの場合は、それを嫌って「解決」ということすら考えず、ひたすら周りに「相談」と称した「愚痴」を言い始めます。
 
聞いてくれる人は、解決しようとしてくれる親切な人がいるかも知れませんが、基本は他人事。適当なアドバイスをして終わることがほとんど。あるいは、「そうだよねえ」と同意、煽って終わり。結局、解決への糸口は自分の行動によってしか見いだせない。でも、愚痴のスパイラルに入り込んだ人は、それすら気付かない。唯一見えるのは、「転職」という幻想に近い妖しい魅力を放つ光だけ。でも、その輪郭ははっきり見えない。
 
当社にも、そういう人が応募して来られることがあります。ここに来て、応募が増えて来ましたが、残念ながら「転職」という光の輪郭が見えないまま応募して来られる方もいます。そういう人の特徴は、転職の納得できる説明がないことです。「貴社の業務内容に興味を持ち」といった、履歴書のテンプレートのような応募理由が書いてあるだけです。
 
僕自身も転職経験があり、今の時代に転職を否定するようなことはまったく思いません。しかし、日本は転職が当たり前になってきた一方で、今でも転職経験が多い人を好まない傾向にあるのは事実です。だからこそ、その転職は実りあるものにすべきだと思うのです。ぼんやり転職してしまわないように。似たような転職を繰り返さないように。
 
もう一度書いておきます。他人は解決してくれない。真剣に考えたふりはするけれど、翌朝には他のことを考えているものです。
 
愚痴を言うことはあると思います。でも、次に進むためには解決する努力がなければ進めないように考えている今日このごろです。
Comment(0)