「あまちゃん」に見る、家族のコミュニケーションを深めるツールとしての自分史
一昨日に『「あまちゃん」に見る、自分史の重要性』という記事を書きましたが、
今回も「あまちゃん」と自分史について書いてみたいと思います。
ヒロインの天野アキは、東京に住んでいたころは、母親の春子から
「地味で暗くて向上心も協調性も存在感も個性も華もないパッとしない子」と
言われてしまうような子どもでした。
当時は、母親の子ども時代のことや、どうして東京に出てきたのか、
母親が父親とどう出会ったのかはほとんど知らず、
ただ、いい子に育つようにと、勉強しなさいとか、
しっかりしなさいといった言葉をかけられていたのだと思います。
それが高校2年生の夏に、春子に連れられて、
初めて母親の故郷である北三陸へ行くことになり、
そこで祖母の夏と会い、北三陸の自然と人々と触れ合うことによって
東京時代の自分の殻を脱ぎ捨て、変わっていきます。
そして海女をやることによって北三陸のアイドル的存在になり、
また母親の春子が、中学や高校時代は不良的存在だったけど、
歌がうまくてのど自慢大会などで何度も優勝していて、
アイドルになることを目指して家出したことを知ります。
アキは東京の芸能事務所にスカウトされて、東京へ行くことになりますが、
そのときに春子が、家出して東京へ出た当時の話を
手紙につづってアキに渡します。
この手紙はまさに春子の「自分史」です。
その後も、アキが正月に北三陸へ一度帰ってから、東京に戻るときにも
春子が前回の手紙の話の続きをつづってアキに渡しています。
アキが春子の「自分史」を知ることによって、母娘の絆が深まり、
母の中にロールモデルを見出すようになって、
より力を発揮できるようになってきたのではないかと思います。
よく「子どもは親の背中を見て育つ」と言いますが、
いい子に育つようにと単に声をかけるだけではやはりダメで、
親が子どもに、自分がどう生きてきたのか、
その「自分史」をきちんと伝えていくことが重要なのではないかと
「あまちゃん」見ていて、改めて思いました。
ぜひ「自分史」を、家族のコミュニケーションを深めるツールとして
活用していただけたらと思います。