「記憶」と「歴史」をつなぐアーカイブズ
自分史関連の活動をしていることもあり、
最近、記録を保管して活用していくアーカイブズに興味を持っています。
ネットでいろいろ検索していたら、
神奈川県立公文書館で「アーカイブズ講座」が開催されるというのを見つけて、
昨日、参加してきました。
神奈川県立公文書館は、二俣川の運転免許試験場のすぐ近くにあって、
今回が行くのは初めて。
今年が開設からちょうど20周年になるそうです。
講座では、アーカイブズがどういうものか、
実際にどのようにアーカイブズ(公文書館)を利用すればいいのかについて、
実例を交えながらお話を聞きました。
公文書館がどういうものか、何ができるのかについては
わかりやすい展示があったので、写真をアップします。
講義では、アーカイブズは「記憶」と「歴史」を
つなぐものであるという話が印象に残りました。
「記憶」はそのままでは主観的であいまいなものだけど、
アーカイブズの「記録」を利用して、記憶を検証していくことで
客観性を持った「歴史」になり、
多くの人と共有して活用してもらいやすくなるということです。
もう一つ面白いなと思ったのは、
行政刊行物や一般の書籍に書かれていることの多くは結果のみで、
その結果に至る過程がわからないことが多いけど、
アーカイブズの公文書などを調べると、
過程を含めた全体像を知ることができるという話。
1964年に開催された東京オリンピックの
聖火リレーを実例とした話を聞きましたが、
行政刊行物や書籍だけだとわからないような
例えば、聖火リレーがどのように準備が進められたのか、
中継地点がどう決まったのか、どう交通規制や警備をしたか、
試走によってどんな教訓を得たのかなどが
聖火リレーに関する公文書を調べることでわかるそうです。
講座のあとには、公文書館内を見学させてもらいました。
ここは選別室で、保存期間が終わった公文書が送られてきて、
そこから歴史的に意味のある文書を選別して、あとは捨てるそうです。
年間で数千箱の段ボールの書類を選別するそうで、
残す文書は約10%とのこと。
ここは文書を保存しておく書庫です。
このような書庫が七つあるそうです。
公文書館で、一般の図書館にはないような、
公文書や古文書などを調べることができるということがよくわかりました。
自分史や郷土の歴史などをまとめるときに活用できそうです。